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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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196 狙われた店員たち

 店は両店とも順調に営業をしていた。

そんなある日の事だった。

その日は休日で店も休みだった。

しかし俺がエレノアと一緒に部屋を出ると、何やら屋敷の中でみんなが騒いでいる。


「おや?何だか屋敷の中が騒がしいね?」

「そうですね?何かあったのでしょうか?」


何かあったのだろうか?

どうやら騒ぎは使用人食堂の方で起こっているようだ。

以前は全員同じ食堂で食事をしていたのだが、ドリーたちが来て人数が増えたので、会議室を使用人用の食堂として使っている。

その使用人食堂でブリジットたちが集まって何やら騒いでいる。

俺とエレノアは使用人食堂に行って、そこにいる娘たちに聞いてみた。


「どうしたの?何かあったの?」

「あ、ホウジョウ様!」

「実はミンティとアクワが町で人に捕まって大変だったんです!」


うちの店員が街中で捕まったと聞いて俺も驚いた。


「え?捕まったって?何で?大丈夫だったかい?」

「ええ、ミンティが捕まっている間に、私が相手に眠りの魔法をかけて相手を眠らせて逃げて来ました」


それを聞いて俺はホッとした。

さすがは全員が魔法士だ。

最低限の身を守る方法は身につけているようだ。


「それなら一安心だけど、二人は何でその人に捕まったの?」

「ええ、その男は肉まんの作り方を聞いてきたんです」

「どうしても作り方の秘密を教えろって強引に迫ってきて・・・」

「そうか・・・」


なるほど、要は産業スパイみたいなもんか?

確かに最近は店に泥棒が入る他にも、たまに肉まんの作り方を教えてくれと店の前で粘る人間もいる。

俺はそういった人間にはいずれ教える日も来るだろうが、当分の間はその気はない、諦めて欲しいと言って追い返していた。

店員たちにも、しばらくの間は肉まんの作り方はうちの企業秘密なので、決して頼まれても誰にも教えてはいけない、但しいずれ大々的に発表するつもりだ、と教育している。

しかしもちろんそれでは納得しない人間もいる。

そういった人間が、店の外で店員に直接聞けば良いと思って迫ったのだろう。

おそらく小娘なので、強引に迫れば簡単に白状するとでも思ったのだろう。

しかしこれは困ったな。

俺が考え込んでいると、ミンティとアクワが説明する。


「でも私達、何もしゃべりませんでした!」

「そうです。ホウジョウ様の信頼を裏切るような事はしていません!」

「うん、ありがとう」


それは助かるが、しかしこの先もこの娘達が襲われるのではたまらない。

俺はエレノアに頼んだ。


「エレノア、この娘たちにもボーイを一体ずつ貸してあげて」

「承知しました。

少々お待ちください」


エレノアは一旦部屋に戻ると、すぐにピンク髪の男性ジャベック6体を連れて戻って来る。


「君たちもすでに知っての通り、これはエレノアの作ったジャベックで「ボーイ」だ。

店で働いている者や、ブリジットとホワイティが使っている物と同じ物だ。

これを君達にも一体ずつ護衛として貸そう。

このジャベックは汎用で日常会話もある程度できるが、レベルは65あるので、護衛も可能だ。

街中で護衛をするには十分だろう。

それにかなり複雑な事も覚えられるから君たちの助手に使っても良い。

とりあえずは貸し出しだが、もし君たちが長くうちに勤めるのならば、場合によってはそのまま君たちにあげても構わない。

これからは街に出る時は、必ずこれを護衛として連れて、なるべく二人以上で行動をして欲しい。

そうすれば、まず大丈夫だろう」

「はい!」

「わかりました!」

「ありがとうございます!」


6人は護衛兼助手のジャベックを貸出してもらえて喜んでいるようだ。

まあ、もしボーイと同じ位の性能の汎用ジャベックを買うとしたら、金貨50枚以上はするはずだからね。

俺は続けて説明をする。


「だが、わかっていると思うが、このジャベックでは森や迷宮の中では十分な護衛にはならない。

だから迷宮や森の店を出る時は、必ずオリオンたちを最低1体は一緒に連れて行くように!

そうでないと危ないからね。

いいかい?

今まで無事だったから明日も無事だろうと油断してはいけない。

君たちを狙う人間たちは、その隙を狙っているんだからね。

しかし、それでも万一誰かに捕まってしまった場合は、別に肉まんの調理法を言っても構わない。

君たちの命には代えられないからね」

「はい、わかりました!」


確かに俺はなるべくなら肉まんの調理法をしばらく間は隠していたいと思っていた。

だから調理場は隠して見えないようにしてあるし、外からは決して肉まんの作り方はわからない。

材料は食べればある程度わかるだろうが、肝心な調理法がわからなくてはどうしようもないだろう。

そもそも「蒸す」という技術がまだ無い世界なので、簡単には想像がつかないはずだ。

未だに時々、夜に店に進入して、見張りをしているオリオンたちに捕まる連中もいるが、最近は売上金目当てだけではなくて、どうやらうちの調理法や道具の秘密を探ろうとして侵入している者もいるようなのだ。

例の市中引き回しにした盗賊以来、荷馬車はほとんど襲われなくなったが、その代わりに秘密を探ろうとする者が増えた様子だ。

今回二人が襲われたのも、そういった連中の一人なのだろう。

しかし、いくら秘密にしても、いずれ調理法は世間にも知れ渡る。

そもそもすでにポリーナに暖簾分けに近い事をしているのだから、それは時間の問題だ。

俺としてはうちが元祖だと知れ渡って、ブランド的になってくれるまで、秘密を保てれば十分だと思っている。

その後は製法を公開しても構わない。

しかしそれまでの間、この子達に何かあってはたまらない。

この子達自身も鍛えた方が良いのではないだろうか?

俺はそう考えてドリーたちに話した。


「それと君たちも使役物体魔法を覚える気はあるかい?

そうすればタロスを出す事も出来るようになるし、君たち自身の護衛にもなるだろう。

もし、その気があるなら僕かエレノアが、店が休みの日に教えてあげても良いが?」


俺の話に6人は飛びついてくる。


「是非!お願いします!」

「私も覚えたいです!」

「私もです!」

「ブリジットたちに負けられません!」

「ええ、タロス魔法を覚えれば、発熱タロスも自分で作れるでしょうし、自分で護衛のタロスも作れる事が出来るようになりますから!」


どうやらこの6人もタロス魔法を覚えたいようだ。

いつの間にかブリジットやホワイティが使役物体魔法を使えるようになったのを知って驚いて、自分たちも負けじと考えたようだ。


「わかった。しかし君たちも知っているように、使役物体魔法は他の魔法よりも多くの魔法量を必要とする。

そのためにはまず迷宮に行って、魔物と戦い、君たち自身を鍛えなければならないが大丈夫かい?」


俺の言葉にドリーとルーシーが答える。


「はい、もちろんです!」

「そんな事は覚悟の上です!」


他の者たちもうなずく。


「わかった、では仕事も慣れて来た事だし、早速明日から君たちを鍛える事にしよう。

ブリジット、ホワイティ、どっちの店も一人くらいはいなくても、もう大丈夫だね?」


両方の店とも、今は均等に三人ずつ配置をしている。

それに将来の店舗拡張に備えて、ボーイとメイドも増やして調理や販売を学習させてある。

俺の質問に二人がうなずく。


「はい、大丈夫です。

新しく配置したボーイやメイドもかなり仕事を覚えましたから、その程度は問題ありません」

「ええ、こちらも大丈夫です」

「うん、じゃあ明日から交代で誰か一人ずつを迷宮での訓練に出してくれ。

僕たちが一緒に迷宮に入って鍛えるから。

そして自由日にはエレノアが魔法を教える事にしよう」

「はい、わかりました!」


次の日から俺とエレノア、ミルキィは、6人の内の二人を迷宮に連れて行き鍛えた。

それぞれのボーイにも簡単な武器防具を買って、一緒に迷宮で戦闘学習をさせる。

6人をブリジットやホワイティと同じ、レベル50まで上げると、魔法量も十分になったので、エレノアがタロス魔法を教え始める。

タロス魔法は難しいが、何とか六人とも覚える事が出来たようだ。

そしてレベル60程度になると、ブリジットたちと同じように、戦闘タロスを10体ほど出せるようになったので、そこで一旦訓練を終了した。

六人は使役物体魔法でタロスを出せるようになったので、大喜びだ。

もっともこの頃はブリジットとホワイティのレベルは70を越えていて、戦闘タロスも15体は出せるようになっていた。

どうやら二人は店の先輩としてドリーたちに負けないように、自由日や休日に貸してあるセイメイを連れて迷宮に行って、自主的に鍛えているようだ。


レベル60を越えた6人を前にして俺は訓示する。


「さて、これで君たちも中堅の盗賊程度ならば十分相手を出来ると思う。

その辺は実際に盗賊を相手にしてみないと何とも言えないが、こればかりは仕方がない。

しかし一応町へ出る時は今まで通り、ボーイを連れてなるべく二人以上で出かけるように!

用心に越した事はない。

いいね?」

「はい、わかりました!」


うん、これでひとまずは安心だ。

この6人が常に二人以上でいれば、そうそう困る事はないだろう。

そんな時、メディシナーから手紙が来た。

レオニーさんとレオンの連名だ。

内容は肉まんの店舗をメディシナーにも作りたいという。

そのために教わる人員を送りたいが、良いかという内容だった。

どうやらポリーナに肉まんを食べさせてもらって、相当感動したらしい。

人員は20人ほどで、メディシナーに支店を出してもらえるのならば、その全員を好きにして良いと言う話だったので、俺はそれを承諾した。

こうして店舗も順調に行っている時に、俺の知らない所である事が起こっていた。



これにて「ミルキィ編」に始まった話から「迷宮店舗編」までが終わり、一区切りつきました。

次回からは「シルビア編」が始まります。


なお、収納魔法マギアサッコの性能に関して一部修正をさせていただきました。

これによりシノブの持ち物に多少変更が生じますが、大きな話の変更はないので、わざわざ読み返す必要はありません。



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