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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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008 バーゼル奴隷商館

 昨夜、考えた俺は魔法を優先するか、仲間を優先するかで、仲間を優先する事にしてみた。

実は魔法を優先したくはあったのだが、どう考えても、俺にはまだこの世界の常識が足りない。

だからまだ学校などに行けば、変なボロが出る気がする。

それを取り繕うのもめんどうだし、何かそこから飛んでもない事態が起こるかもしれない。


しかし先に仲間を作って、しばらく仲間を通して世間を知れば、そういった心配は少なくなるだろう。

もちろん、その仲間に変に思われるかも知れないが、学校などという公的な場で広範囲に醜態を晒すよりも、被害ははるかにすくないはずだ。

そう考えて仲間を優先する事にしたのだ。

そして今の俺には仲間を作るには、奴隷を買うのが妥当だと聞いていたので、とりあえず、奴隷商館に行ってみようと思った。

実際に買うかどうかはわからないが、奴隷とはどういった者か、実際に一度見てみようと思ったのだ。

サーマル村長と一緒に見た事はあるが、あれは他人事で見ていただけだった。

今度はちゃんと自分の目で見て考えてみたいと思ったのだ。



 俺がバーゼル奴隷商館に入ると、ちょうどそこに若主人アルヌがいて、挨拶をされた。


「これは・・・シノブ様、今日はどういった御用事ですか?」


どうやら俺の顔と名を覚えてくれていた様子でホッとした。

たとえ、営業や社交辞令であっても、こちらの顔と名前を覚えていてくれたのはありがたい。


「ええ、またちょっと見学をさせていただいて、もし良い奴隷がいれば購入しようかと思いまして」

「それはそれは、早速ありがとうございます」


玄関から客間に案内されながら、主人が俺に聞いてくる。


「シノブ様は奴隷を使うのは初めてでございますか?」


その質問に俺は正直に答えた。


「ええ、実は、私はその・・・かなり遠い場所からやってきて・・・

そこでは奴隷制度というのはなかったので、奴隷というものを見るのも初めてなんです」


これは無理のない説明だと思うし、事実、俺がいた世界では遠い過去はともかく、俺が生きていた頃には奴隷制度などないので嘘ではない。

しかし俺の説明に、この奴隷商人はかなり驚いたようだ。


「奴隷制度がない?」

「ええ」


俺の返事に奴隷商人は、また驚いた様子だった。


「ほほう?そのような地域がありますとは・・・

正直驚きですが、では奴隷制度、その物の説明からした方がよろしいでしょうか?」

「そうしていただけるとありがたいです」


もちろん、ガイドブックである程度の事は知っているが、実際に奴隷を扱っているというこの商人から具体的な事を聞いておきたいと思った俺は、素直に説明を求めた。


「では最初から説明させていただきましょう。

そもそも奴隷というのは基本的に、他人の所有物となった人間や亜人種の事で、奴隷になる者は、戦争などで負けた国家の民や、身を持ち崩した者、犯罪者、自分で身売りをした者、またそういった者の子供がなります」

「なるほど」

「奴隷となった者は、首に「奴隷の首輪」と言うものをはめられて、所有者が決まった場合は、その名前を魔力で首輪に刻まれて、完全に買った者の所有物となります。

この首輪には魔力が込められていて、いくつかの機能がついております。

まず一つ目は所有者は自分の奴隷の位置を探知する事ができて、所在不明になった時や、逃亡などを目論んだ時に位置を特定できるわけです」

「逃亡?やはり逃げ出す事があると?」

「はい、しかし滅多にある事ではありません。

所有者が常識の範囲内で奴隷を扱っていれば、まず逃亡するという事はありませんので、御安心ください」


常識の範囲内と言われても、今の所、その常識が俺にはないので、判断ができないんです。

すみません。

しかしそれを説明する訳にはいかない。


「なるほど」


とりあえず、うなずいて話を先に進める。


「2つめの機能は所有者が死亡した場合、即、殉死する機能です」

「殉死?その場で即、死ぬのですか?」


俺は驚いた。


「はい、この2つの機能により、奴隷が所有者を殺したり、逃亡したりする事がほぼなくなるわけです」


なるほど、シルビアさんが奴隷が逆らう事はないと言ったのはこういう事だったのか。


「すると所有者が死んでしまった場合、その奴隷は何が何でも死んでしまうのですか?」


俺の質問に奴隷商人は首を横に振って答える。


「いいえ、この機能は途中で変更する事も可能で、死んだら所有を引き継がせる、例えば親から子へとですね、そういった所有者変更も可能ですし、よく働いた奴隷などの場合は奴隷解放などを仕組んでおく事も可能です。

その場合は所有者が死んだ場合に、首輪が自動的に外れます」


なるほど、さすがに自分が死んだら、何が何でも相手が死んでしまうのではないと知って、俺もホッとした。


「では、自分が死んだ後で、その奴隷を誰かに引き継がせたり、奴隷から解放したりする事もできるわけですね?」

「はい、その通りです。

もっとも余程の信頼関係にない限り、解放するという設定にする方はいらっしゃらないですね。 

その設定を自分の奴隷に伝えれば自分が死ねば、相手が奴隷でなくなるというのを教えるも同然な訳ですから。

事実、自分の奴隷を信じて解放設定にしたばかりに、その奴隷に殺されてしまった主人もおりますので、この設定にする場合はよくよくの事でない限りお奨めはしません」

「主人を殺した場合、その奴隷は罪に問われないのですか?」

「いいえ、そんな事はありません。

もちろん主人殺しは大罪で、むしろ死刑になる事がほとんどです。

まあ、その前に大抵は首輪の魔法機能で殉死してしまう事がほとんどですがね」

「そうですよね?」

「しかし中には巧妙で小ずるい奴隷もいて、例えば、主人をおだてて自分の設定を解放にしてもらって、その後で誰か別人に主人を殺させる、という手法を使う者もいるのです」

「ははあ・・・」


なるほど、世の中ずる賢い奴はどこにでもいるもんだと俺は思った。


「そういった奴隷もいるので、我々奴隷商人は所有者死亡後の解放設定をあまりおすすめしておりません。

しかし奴隷になった者の中にはそういった狡知に長けた者もまれにいますので、いくら我々が止めても、ごくまれに奴隷に騙されて、そういった方法で殺されてしまう方もいらっしゃいます」

「そんなに巧妙なのですか?」

「ええ、例えば有名な事件に「奴隷魔女サロメ」の話がございますね」

「奴隷魔女サロメ?」

「はい、サロメは美貌の女でしたが、非常に狡知にたけ、自己中心的で、人を人とも思わない女でした。

ある時、自分の夫殺しの罪で、奴隷の身分に落とされたのですが、その主人を今度は自分の美貌を持って、たらしこんだのです」

「なるほど」

「サロメは主人に頼み込んで、まず自分の設定を開放設定にしてもらったのです。

そして次に同じ奴隷身分の男を、やはり自分の虜にして、その男を主人から貰い受けて、自らの専用奴隷としたのです」

「つまり奴隷の奴隷という事ですか?そのような事も可能なのですか?」

「はい、俗に孫奴隷と言いまして、お気に入りの奴隷や、優秀な奴隷には、そのように専属の奴隷をつける事が、ごくまれにございます」

「なるほど」

「そして、自分の奴隷となった男に、サロメは主人を殺すように差し向けるのです。

主人を殺せば自分は奴隷から解放される。

他の奴隷は殉死で死ぬが、お前は私の奴隷だから殉死しないですむ。

そうしたら自分と一緒にどこかへ逃げて暮らそうとそそのかしたのです。

サロメの肉体に溺れていた男奴隷は言われるがままに主人を殺し、主人殺しの罪で捕まり、裁判にかけられました。

男は当然サロメに言われてやった事だと主張しましたが、サロメはそれを否定しました。

自分がやさしい主人を殺すような事を言うはずがない。

これはその男の独断でやった事だと主張し、涙を流して訴えました。

他の奴隷たちは主人が死んだ瞬間に殉死していましたから、他に証言する者もおりません。

美貌のサロメが涙を流してまで訴えたために、裁判官たちはサロメを信用して、サロメは無罪となり、奴隷から解放され、残った奴隷男を主人殺しの罪で死刑としました」

「うわ~・・・」


恐ろしい女だ。

確かに魔性の女とか、魔女といわれるような女は、こういった女の事を言うのだろうと俺は思った。


「しかし、数年後、窃盗の罪を犯したサロメは再び奴隷となり、その新しい主人を相手に再び同様の事を行いました。

しかしその時は、サロメ以外にもたくさんの奴隷が開放状態になっていたので、証言者はたくさんいました。

その人々からサロメの性格、主人を殺した男奴隷との関係を証言する者たちが次々と現れた上に、過去の裁判を覚えていた者が、あまりにもやり口が似ているので、前回も今回と同じような手口で主人をサロメが殺したのではないかと疑われました。

サロメはまたもや涙を流して裁判官たちに自分の無実を訴えましたが、今度の主人は前の主人と違い、奴隷たちに非常に尊敬され、慕われていました。

自分たちの敬愛する主人をサロメに策略で殺された元奴隷たちは、決してサロメを許さず徹底的に追及しました。

サロメには何の得にもならないのに、なぜそんなに死んだ人間のために奴隷たちが自分を追求するのか理解が出来ませんでした。

その結果、相手によってサロメの証言に大きく矛盾が生じ、それをサロメは説明できなくなりました。

自己中心的で保身しか考えないサロメには自分の身をなげうってまで、亡き主人の無念を晴らそうとする元奴隷たちの気持ちが最後まで理解できなかったのです。

そのために、サロメは自分で自分の証言に縛られて、ついに有罪となりました。

そして主人殺しの大罪と、他人にそれをなすりつけようとした事で、計画的な上に、極めて自己中心的として、当時としても珍しい公開火あぶりの刑となり、処刑される事となりました。

サロメは火あぶりになる直前まで、自分の無実を訴え続けましたが、それが受け入れられないとなると、火あぶりにされる間、死ぬまで自分の主人や他の奴隷たちを呪う言葉を吐き続け、ついには絶命しました。

これが有名な「奴隷魔女サロメ」の事件でございます」


俺はその話を聞いて、この世界の奴隷の歴史に、そんな凄絶な話があったのかと驚いた。


「・・・凄い話ですね」


自業自得とはいえ、そんな方法で殺されてはたまらないなと俺は思った。


「はい、これは「魔女サロメ」「主人殺しのサロメ」として、最も有名な話でございますが、似たような話は他にもございます」

「なるほど、よくわかりました。非常に興味深いお話をありがとうございます」


これって、基本は奴隷を簡単に信用するなって話だけど、きっと奴隷を大切にしろっていう教訓も含んだ話だよね?


「はい、そういった理由で、この2つ、探知と主人死亡時設定は必須ですが、他に所有者の希望によって、設定する機能もいくつかありますね」

「それはどういう物ですか?」

「例えば仕置機能です。

 犯罪等の理由で奴隷になった者の中には反抗的な者もいますから、そういった手合いが主人に逆らうと、首輪から電撃などが流れるような機能も付けることができます。

これは即死機能を弱めた物ですね」

「ははあ・・・」

「それとこれは滅多に使いませんが、奴隷が魔法使いの場合で、魔法を使われると都合が悪い場合には、魔力を封じて、魔法を使えなくする機能なども設定できます」

「なるほど」

「こうした様々な機能があるので、皆様は安心して奴隷を扱う事ができる訳です。

そして奴隷は老若男女、力仕事や家事、事務仕事など様々な種別に分けられて売られます。

そして我々奴隷商人が、そういった奴隷の売買、仲介をするわけです」

「奴隷商人以外では奴隷を扱う事はできないのですか?」

「まったく例がないとは言いませんが、よほどの事がない限り、奴隷の扱いは奴隷商人がいたします。

武器職人でない者に鋼の剣を作らせたり、漁師でもない者に魚を取りに行かせたりしないように、やはり奴隷を扱う者も専門家がした方がよろしい訳です」

「なるほど」


つまり、餅は餅屋ということか。

納得だ。


「奴隷になった者は、先ほど説明した専用の首輪をはめられて、それが奴隷の証となります。

この首輪をしていれば、その者が例え、どんなに豪奢なドレスや立派な戦士の装いをしていても奴隷ですし、逆にこの首輪をはめていない者は、どんなにみすぼらしい格好をしていたとしても奴隷ではない訳です」

「なるほど」

「もっともそういう特殊な格好をさせるのは、娼婦として働かせたり、護衛としての役目を持っている場合に限ります。

そういった特殊な事情がない限り、通常は奴隷用の格好という物がございまして、大抵はそれを主人が着せておりますね」

「そう言った奴隷の服は町で売っているのですか?」

「もちろん売っている物もございますし、家にある布切れなどで、似たような物を奴隷自身に作らせる場合もございます」

「なるほど」

「そしてこの首輪は魔法がかかっており、腕力で外す事はできませんし、魔法ではずすにしても専用の特殊な魔法が必要です」

「特殊な魔法?」

「はい、基本的に奴隷商人しか使えない魔法で、はずすにしても所有者が近くにいて、同意がなければその魔法も発動しません。

つまりこの首輪をはずすには所有者と奴隷商人の双方がいなければできない訳です。

したがって奴隷が逃亡を試みて首輪をはずそうとしても無駄なわけです」

「うまくできていますね」

「はい、その通りでございます。

いかがでしょう?

ざっと説明をさせていただきましたが、奴隷制度に関して基本的な事はご理解いただけたでしょうか?」

「はい、大変わかりやすい説明でした」

「ありがとうございます。何か質問はございますか?」

「そうですね、やはり気になるのは奴隷の金額で、いくら位になるのですか?

もちろんその奴隷の能力や年齢などによって、かなりの幅があるのはわかりますが?」

「おっしゃる通り、奴隷はその能力や年齢、容姿などによって、かなりの幅がございます。

相場としては、読み書きもできない単なる雑役用の者ならば、金貨1枚、1万ザイ程度ですが、農作業用なら金貨5枚から10枚前後です。

読み書きや簡単な計算ができる者ならば金貨50枚前後、若い容姿の良い女性や特殊技能を持つ者ならば、金貨100枚、すなわち百万ザイ以上が普通で、200枚を超える者も、さほど珍しくはありません」

「なるほど」


それは確かに当然の値段と俺にも思えた。


「では説明はこんな所にして、実際に奴隷を御覧になりますか?」


いよいよ来たか・・・

もちろん、それが目的で来たので、断る理由はない。

サーマルさんと来た時には、それほどよくはみていなかったし、奴隷という物を実際にまじまじと見るのは初めてになるが、果たして奴隷とは一体どういう感じなのだろうか?

俺は緊張してドキドキとしてきた。


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アースフィア 9日目


名 前 : シノブ・ホウジョウ


レベル : 41


年 齢 : 15


状 況 : 古都ロナバールで、奴隷商館に行って、アルヌ・バーゼルから

      奴隷の説明を受ける。


 


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