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序章2 転生世界アースフィア

 俺は「アースフィアの歩き方」というガイドブックを広げた。

るるぶとか地球の歩き方みたいな感じで色々と説明してある。

まずはざっと読んでみた結果、かいつまんで言えば、自分がこれから転生する世界「アースフィア」は大きさは地球とほぼ同じ大きさの球体で、いくつかの国に分かれていて、全体を統括する国はない。

その辺は21世紀の地球と同じだ。

ただし、まだまだ空白地帯も多く、人口は21世紀の地球に比べればかなり少ない。

科学の発展は紀元前から最先端でも16世紀程度が混ざった世界のようだ。

これは情報の伝播が遅いので、国によってかなりの差があるためだ。

つまり大雑把に言って、古代ギリシャ辺りから中世ヨーロッパ辺りまで色々って事ね?


言葉は多少の方言や種族語もあるが、だいたい一つの言語でまとまっている。

そして文字もだ。

これは魔法が大きく関係しているようだ。


通貨の単位は「ザイ」で、これもほぼ全世界共通らしい。

通貨単位が違う場所でも、金や銀そのものが通貨として使えるようだ。

従って銅貨はともかく、銀貨や金貨は世界共通の通貨と思って良い。

1ザイ銅貨は十円玉ほどの大きさの青銅貨で、価値も同じく10円ほどらしい。

絵柄はともかく、見た目も大きさも、日本の10円銅貨と、ほぼ同じだ。

そして1ザイ≒10円と言う訳だ。

その1ザイ銅貨が10枚で大銅貨1枚、100枚で銀貨1枚、1000枚で大銀貨1枚、1万枚で金貨1枚、10万枚で大金貨1枚になるらしい。

もっとも普段はザイという単位はあまり使わずに、計算する時以外は、金貨何枚、銀貨何枚分、という言い方をする事が多いらしい。

単純に考えて、銀は銅の100倍、金は銀の100倍の価値がある世界のようだ。

つまりこの世界では、金は銅の1万倍の価値がある事になる。

日常のほとんどが銅貨と銀貨で生活し、金貨を使うのはよほど高価な買い物の時らしく、一生で一回も金貨を見ないで終わる者も少なくはないようだ。

まあ、令和の世の日本で言えば、金貨1枚が約10万円、大金貨なら1枚百万円に相当するはずだ。

21世紀の日本だって、10万円札だの百万円札だのがあったら、確かに一回も見ないで終わる人はいくらでもいそうだ。


そして神様の話した通り、このアースフィアには「魔法」が存在し、それはかなり重要な役目を果たしているようだ。

まあ、魔法なんて便利な物があれば当然そうなるだろう。

ただし、アースフィア全体でも魔法使い自体の存在はそこそこ珍しいらしい。


魔法には色々と種類があるようだ。

攻撃魔法や防御魔法、治療魔法など、様々な魔法があるが、この世界で特に重要な魔法は使役物体魔法、いわゆるゴーレム魔法らしい。

この魔法は恐ろしく応用範囲が広いので、とても便利なようだ。


また魔法使いになると、「マギアサッコ」という収納魔法が扱えるようになって、その中に色々と物を入れることもできるようだ。

もっとも流石に収納の限界があるようで、大きさがいくつかあって、それが最高で99個使えるようになるらしい。

要は持ち運びできるコインロッカーのような物のようだ。

レベルが低い頃は大して使えないが、レベルが高くなると、段々たくさん使えるようになるという事だ。

まあ、それでも十分便利だ。

そして硬貨は別扱いで、金貨・銀貨・銅貨の各貨幣6種類の貨幣枠があって、それぞれに999枚まで入れられるらしい。

また、そのマギアサッコの中では時間が非常にゆっくりと流れるので、食べ物などもほとんど腐らないらしい。

もっとも生物はこのマギアサッコの中には入らないようだ。

しかし生物と無生物の境目をどこで判断しているのかはよくわからない。

細菌などはどうなっているのだろうか?


「なるほどねぇ」


魔法の項目を読み終えた俺は感心した。

まるで大作RPGゲームの説明書を読んでいるようで、本当に今から自分がここに行くのかと思うと驚いたし、正直ワクワクもしてきた。


それからどれ位の時間が過ぎたかわからない。

ガイドブックを2冊とも全ての内容を暗記するほど読んだし、それで色々な世界を想像しても見た。

これ以上の事は実際に行ってみなければわからないだろう。

自分が転生する時の状況や能力もだいたい考えた。

しかしその前にいくつか聞きたい事があった。


「神様よろしいですか?」


俺が呼びかけると、即座に神様が現れる。


「決めたかい?」

「はい、だいたい決まりましたが、いくつか質問をしたいのですが、よろしいですか?」


俺は神様にいくつかの事を質問してみた。

世界の事、魔法の事、持ち物制限の事と色々と聞いてみた。

神様は何でも気前よく答えてくれて俺は大いに参考になった。

例えば治療魔法の中には、どんな病気や怪我でも治せる魔法があるらしいが、その魔法を使える人間は非常に珍しいので、俺が生きている間に会えるかどうかもわからないそうだ。

うん、色々と凄いな?

マギアサッコは本来レベルが低いと少ししか使えないが、俺の場合特別で、最初から1番から99番までの99個を全部使えるようにしてもらえるそうだ。

あ、貨幣専用分も合わせて105個ね。

そこで、いよいよ本格的に自分の能力や、持って行く物を考え始める事にした。


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