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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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174 昇降機設置作業

 いよいよ実際に昇降機設置作業に入る。

数日前から魔法協会と組合で昇降機設置作業による迷宮立ち入り禁止の告知がされている。

そして迷宮の前には24時間、常に見張りが居て、関係者以外は誰も入れないようになっている。

設置工事に携わる者は、人もジャベックも全員この作業のために用意された専用の腕章をしていて、それ以外の者は迷宮に入れないのだ。

俺たちはそれぞれ馬車や飛行魔法で迷宮前に集まった。

どうやら全員揃った様子だ。

もっとも俺とうちの人間たちは、ここに集まる前にちょっとした作業をしていた。

俺は全員がいる事を確認して、旅の添乗員か土木工事の現場監督のように皆を案内する。


「はい、それでは今から予定通り、作業に入ります。

全員、僕とエレノアについてきてください!」


俺がそう言って迷宮に向かうと、全員がゾロゾロと着いてくる。

俺が見張りの人たちに挨拶をする。


「お疲れ様です。それでは今日から作業に入ります」

「はい、お気をつけて!」

「はい」


まずは1階広場と各階層の昇降機前の拡張工事だ。

エレノアがレベル500の上級タロスを出して、広場の工事を始める。

迷宮の壁は様々な攻撃呪文にも堪えるほどの硬度を誇っているが、さすがにレベル500のタロスの前ではどんどん削られて、崩されていく。

俺たちが作業を2週間で終わらせる事が可能なのは、やはりエレノアの存在が大きい。

金剛杉の時と同様、エレノアがいなければ、この作業はもっと時間がかかった事だろう。

いや、おそらく引き受けられなかったに違いない。

この設置作業にエレノアの存在は不可欠だ。

組合もエレノアの存在があったからこそ、俺たちにこの義務ミッションを振ったのだろう。

実際に過去の記録を見ると、この硬い迷宮の壁を破壊するのに相当苦労している事が分かった。

崩された瓦礫はシルビアさんの作った運搬タロスによって、次々に外へ運び出されていく。

統括補佐のシルビアさんは1階広場の担当も兼ねていて、タロスが瓦礫を外に出していく。

そしてエレノアがさらに工事用上級タロスを出すと、それを2階層以下の各階層担当者に順番に振り分ける。


「では、各員は各階層の所定の場所へついてください」


俺の指示に従って、各自がジャベックとエレノアの工事タロスを連れて、自分の担当の階層へと向かう。


その後で俺とエレノアはまずは1階の昇降機設置場所へ行くと、そこでエレノアがまたもや上級タロスを20体ほど出す。

工事タロスたちはただちにエレノアの指示に従って、付属の斧や鶴嘴を使って工事を始める。

それを確認した俺がペロンとハムハムに声をかける。


「それじゃ、ここは二人に任せたよ?」

「はい、大丈夫ですニャ」

「おう、任せてくれよ!」


1階の設置場所を担当のペロンとハムハムに任せた俺とエレノアは続いて2階に向かう。

途中、シルビアさんに二人の様子を見るように頼んでおく。


2階の設置場所にはすでにアルフレッドとムサビーが到着して工事を始めていた。

俺とエレノアは状況を確認して二人に声をかける。


「それじゃアルフレッド、ムサビー、ここは頼むね」

「はい、お任せください」

「大丈夫です、御主人様」

「その前に、と・・・」


俺は100体ほどの戦闘タロスをその場で出すと、周囲の警戒に当たらせる。

この戦闘タロスは通常タロスの限界時間、1週間位は持つので、しばらくはこれで大丈夫だ。

レベルは50あるので、2階の魔物ならば楽勝だ。

俺は昇降機設置予定場所を中心に、十重二十重に戦闘タロスを配置した。


「さあ、これでここは大丈夫だ。

3階へ向かおう」


俺とエレノアはうなずくと3階へと向かう。

カベーロスさんに挨拶をして現場を確認すると、そこでも戦闘タロスを配備して4階へと向かう。

階層担当者自身か、連れているジャベックが強力な戦闘タロスを出せる設置場所は問題ないが、そうでない場所には俺が戦闘タロスを配置して行く。

2階のアルフレッド、3階のカベーロスさん、10階のマギアマッスルさんは使役物体魔法を使えないので、俺が戦闘タロスをだして配置する。

8階の男爵仮面は正規の魔道士なので、出せない事はないのだが、あまり得意ではないらしいので、一応俺が戦闘タロスを出して配置した。

1階のペロンはシルビアさんが面倒を見てくれる。


こうして初日は各階の工事状況を確認しながら、徐々に俺たちは下の階層へと向かう。

迷宮の階段の位置があちこちに分散されている上に、魔物と戦いながらの移動なので、一つの階層を降りるのに、短くとも10分以上はかかる。

4階ではゴーレム使いのエトワールさんが木人形型戦闘タロスで鉄壁の布陣をしていた。

5階では伯爵仮面と伯爵仮面2号が二人で戦闘タロスを出して魔物を倒していた。

どうでもいいけど、ここは迷宮の中で、しかも工事中で誰もいないんだから仮面被る必要ないじゃん?

9階ではアレクシアさんと彼女の所有ジャベックのアレックが守りを固めていた。

最下層手前の14階では、バロンと同じような灰色ケット・シー型の戦闘タロスが大量に配置されていて、俺は少々驚いた。

しかもその戦闘タロスたちが魔物と戦うのを見ていると、恐ろしく素早く強いので、俺は感心した。

魔物が出てくると、すぐさまにその周辺にいるケット・シー型タロスたちが、ニャ!ニャ!ニャ!と寄ってたかって、あっという間に魔物を倒す。

それを見ていると、まるでバロンが分身の術を使っているようだ!

やはりバロンは強い!

俺は安心して自分の担当である最下層の15階に向かった。


結局、初日は各階層を確認しながら最下層の15階まで降りるのに、3時間以上もかかってしまった。


「ふ~、やれやれ、結構時間がかかったね?」

「そうですね、そのためにも我々は昇降機を設置するわけですからね」

「そうだね、頑張ろう」

「はい」


俺は昇降機設置場所に到着すると、エルフィールを出して安全地帯の確保にかかる。


「起動、エルフィール!」


途端に周囲に光りが溢れ、エレノアそっくりのダークエルフのようなジャベックが現れる。


「エルフィール、起動いたしました。

何なりと御命令を、御主人様」


俺はエルフィールに状況を説明する。


「やあ、エルフィール。

今、ここはロナバール北東の迷宮の15階なんだ。

我々はここで昇降機設置のための工事をする事になったんだ。

今から我々はこの近辺に昇降機設置のための場所と、安全地帯を確保する作業を始める。

エルフィールはここで昇降機が完成するまで魔物と戦って、安全地帯に魔物が入ってこないようにして欲しい。

まずはここを中心に周囲30メル位に魔物が入ってこないようにしてもらえば良いよ」

「承知いたしました」


そう返事をすると、いきなりエルフィールは戦闘タロスを数十体出して、周囲の警戒に当たる。


「さて、では我々もはじめようか?」

「はい、そうですね」


エレノアは上級タロスを出すと、工事を始める。

途中休憩を挟みながら、迷宮の中で作業を続ける。

もっとも俺たちが休憩している間も、エルフィールは警戒を、タロスたちは作業を続ける。

そしてたまに魔物が出てくると、エルフィールのタロスが倒す。

俺の今日の仕事は細かい作業と瓦礫の片づけだ。

それにしても俺もこんなに長時間迷宮で作業を続けたのは初めてだ。

地味な作業だが、予想外の事も特に起こらずに作業は順調に進む。

そしてそろそろ時間的に夕方になると、俺がエレノアに尋ねる。


「そろそろ今日は終わりにしようか?」

「そうですね」

「じゃあ、エルフィール、我々はまた明日ここに来るから、それまでは任せたよ?」

「はい、承知いたしました」


俺は各階層に魔法念話で一日の作業の終了を伝える。


《みなさん、そろそろ今日の作業は終わりです。

後は各ジャベックに任せて迷宮から出てください》


俺の送信にみんながそれぞれ答える。


《了解しました》

《わかりましたニャ》

《おう、わかったぜ!》

《承知した》

《りょうか~い》


俺は出せる限りの上級戦闘タロスを出して魔物との戦闘に備えさせる。

自分たちがいない間の明日までの準備が整うと、エレノアを促す。


「それじゃあ、エレノア頼む」

「はい、ラビリント・プロラッソ!」


エレノアが迷宮離脱呪文を唱えると、俺たちは一気に迷宮の外へ出る。

この呪文は迷宮から一瞬で外に出る呪文だ。

大変便利なのだが、残念ながら本当に迷宮から外へ出るだけの呪文だ。

残念ながらこの呪文で地上を瞬間移動は出来ない。

この呪文は正確に言えば、瞬間空間移動と言うよりも、次元移動に近い呪文のようで、別次元らしい迷宮から通常空間に移動する呪文だ。

だから通常空間を移動する事などは出来ないし、逆に地表から迷宮に移動する事も出来ない。

純粋に迷宮から地表へ脱出するだけの呪文だ。

しかしかなり上級の呪文なので、魔法学士級でないと使えない。

だからこの呪文の魔法結晶はかなり高額だが、迷宮中級者などは万一の時の事を考えて、この魔法結晶を持っている事が多い。

今回はエレノアがこの呪文の魔法結晶を作り、2階より下の階層の責任者たちには渡している。

それを使って、みんなが次々と迷宮の外へ出てくる。

最後に1階担当のペロンが歩いて出てきて、全員が揃う。

そこで俺が初日の仕事が終わった全員をねぎらう。


「皆さん、初日の作業お疲れ様でした。

明日もまたよろしくお願いします。

それでは今日はこれで解散です。

ありがとうございました!」


全員がうなずくと、それぞれ飛行魔法で町へ戻ったり、用意されていた馬車へ分かれて乗ると、街へと向かった。

流石に俺も疲れたので、食事をしてエレノアやミルキィと一緒に風呂へ入る。

そして汚れた体を洗って、明日へ備えてグッスリと寝た。


次の日からは統括のエレノアと補佐のシルビアさんは各層を巡り、計画書の通り、指示を出していく。

エレノアが工事タロスに昨夜のうちに集中的に各階層の上下の穴を掘っておくように、指示しておいたので、俺たちが来る頃には、人間が通れるほどの穴が、既に貫通していた。

これで今日からは上下の移動を楽に可能だし、迷宮離脱呪文も必要なくなった。

今回の工事に関わっているほとんどの人間が浮遊呪文は使えるし、使えない人間も誰かに浮かせてもらえば良いからだ。

瓦礫の移動も竪穴からジャベックやタロスを使って、楽に外へ運べるようになった。

俺も昨日集めてあった瓦礫を竪穴を通して1階へと運ぶ。

その代わり、一階担当のシルビアさんはタロスをいくつも生成して各階から来た瓦礫の運搬に大忙しだ。


数日の内に徐々に各階層昇降機前の安全地帯の場所も出来上がっていく。

大体の場所が出来上がると、魔石などをつかって魔物に対する防御結界を張り、安全地帯の作成を始める。

安全地帯の場所が広がっていけば、俺たちの戦闘も少なくなり、仕事が楽になっていく。

安全地帯が完成する前に中に入ってくる魔物は各階層担当者とジャベックが倒す。

もちろん予想外の魔物などは出てこないので、各担当は十分に対応が出来る。

同時に竪穴の幅も広げていく。


日中は各担当者がいるが、夜は各ジャベックたちが担当する。

この作業をしている間はガルドたちジャベックは迷宮に入りっぱなしだ。

また、俺たちが引き上げる夜には、ポリーナの提案でポリーナ式針鋲を使って、安全地帯周辺にポリーナ式針鋲陣を張り、より効果的に魔物の進入を防いだ。


さらに数日経って安全地帯が確保できると、次はいよいよ本格的な竪穴掘削作業だ。

土木作業タロスたちが上下に穴を掘り、竪穴を広げていく。

各階層担当者は安全地帯の細かい部分を作っていく。

昇降機周辺の安全地帯を確かめ、壁の端などにヤスリをかけて、滑らかにする。

ある程度やっておけば、後は勝手に迷宮が自己修復をするだろう。


そして10日もすると、ついに予定の大きさの竪穴も完成する。

いよいよこの作業も最終段階だ。


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