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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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158 ハムハムとムサビーの等級試験

 俺の両肩にいる2匹の小さなジャベックを見て、グレゴールさんは驚いた。


「この2匹は・・・ジャベックなのですか?」

「ええ、そうなんです。

それで今回この2匹がここの等級のいくつ位になるのかを試してみたかったので」

「なるほど、よろしいでしょう。

それは私も興味があります。

しかし、本当にこの小さなジャベックにミノタウロスの相手をさせても大丈夫なのですか?」


文字通り、ハムスター程度の大きさの二匹に対して、ミノタウロスは2m以上もある。

グレゴールさんでなくとも、心配になるのは当然だろう。


「はい、一応このハムハムはレベル70です。

ムサビーはレベル60ですが、魔法を多少使えるので、大丈夫だと思います。

レベルはミノタウロスよりもはるかに上ですし、私が多少迷宮で戦闘訓練もさせましたから」

「ふむ、それは確かに面白そうですな。

では、相手をさせてみせましょう。

ミノタウロスを2匹連れてきてくれ」


グレゴールさんが係りの人に合図すると、しばらくしてミノタウロスがやってくる。

その間にハムハムも俺の肩から下りて、ミノタウロスを待つ。

ハムハムは待っている間に、何か準備運動や、シャドウボクシングみたいな事をしていてやる気満々だ。

そしてミノタウロスが用意されてハムハムの前に対峙する。

ネズミほどの大きさのハムハムに対して、巨大なミノタウロスの存在は流石に圧巻だ。

ハムハムにシャルルやミルキィの声援が飛ぶ。


「ハムハム!頑張れ!」

「ハムハム!しっかりね!」

「ウキュ!」


その声援にハムハムは余裕で振り向いて答える。


「これでよろしいですか?」

「はい、ありがとうございます」


グレゴールさんに聞かれて俺もうなずいて返事をする。

いよいよハムハムとミノタウロスの戦いの始まりだ!


「それでは始め!」


グレゴールさんの合図と共に、ハムハム対ミノタウロスの戦いが始まった。

大きさ2メル半もあるミノタウロスとハムハムでは、身長で30倍近く、体の体積では2000倍以上もの差がある。

束縛から放たれて巨大な戦斧を持ったミノタウロスは、最初自分の近くにいるハムハムに気が付かずに、遠くで観戦をしている俺たちに向かってきた。

しかしそこへハムハムがちょこちょこと近寄り、自分に気づかずに歩いているミノタウロスの足の指を引っ掛けると、ズダーン!と大きな音と共に、盛大にその場で転ばせる。

起き上がったミノタウロスはようやくハムハムの存在に気が付いて、斧を振るうまでもなく、その場で踏み潰そうとするが、チョロチョロと素早く避けるハムハムを踏み潰す事は出来ない。

それどころか、ハムハムが巧妙に逃げ回ったので、それを踏み潰そうとしたミノタウロスは足がもつれてまたもや大きな音を立てて転ぶ。

その光景を見て、俺たちも思わず笑いが出る。


「あははは、シノブ?中々ハムハムもやるね?」

「ああ、このままミノタウロスを翻弄して疲れさせる作戦なのかな?」


再び起き上がったミノタウロスは怒り狂って戦斧を振り回してハムハムを攻撃するが、目標が小さく、素早く動くので全く当たらない。

しかし、しばらくすると、ハムハムはミノタウロスの正面にピタッ!と止まり、明らかに相手の攻撃を待ち受ける。

ミノタウロスはここぞとばかりにハムハムに戦斧を叩きつける。

ハムハムはそれを避ける様子もなく、攻撃を受けるつもりのようだ。


「えっ?」


その様子を見て、さすがに見ている全員が息を飲んだ、

俺も驚いた!

うお?何をやってんだ?ハムハム?

いくら何でもそれは無茶だろう?

俺がそう思った次の瞬間、信じがたい事に小さなハムハムはミノタウロスの攻撃を正面から受けきった!

いつの間にか両手、いや両前足には俺のあげた小さなミスリルの籠手をはめて、ミノタウロスの戦斧を止めているのだ!

ハムハムとムサビーのお腹の部分には、カンガルーのようなポケットが付いていて、そこにある程度の物は入れておく事が出来る。

ハムハムはそのポケットに入れておいたミスリルの籠手を装着して、戦斧を受け止めたのだ!

戦斧が当たった勢いで、バキバキバキッ!とハムハムが立っていた足場の石板が割れるが、ハムハムは無事だ。


「ウキュッ!」


見事にミノタウロスの戦斧を受け止めたハムハムは、ニヤリとした感じの表情で、してやったりという顔つきだ。

そのままハムハムはグイッ!と戦斧を両前足で掴んで引き寄せると、それにつれて戦斧を放そうとしないミノタウロスはまたもや地面にズドン!と無様に倒れる。

ハムハムはその倒れたミノタウロスに素早く近寄ると、その手の中指を取る。

それはハムハムの体で持てるギリギリの大きさだ。

一体何をする気なのだろうと俺も含めて全員が思った。

しかし次の瞬間、信じがたい事が起こった!

そのままハムハムはミノタウロスの巨体を宙に放り投げ、地面に叩きつけたのだ!


ズダーーーンッ!!!


激しい音がして、ミノタウロスが石板を敷いた闘技場の地面に叩きつけられる!

俺たちはその光景を信じられなかった!


「は?」

「え?」

「これは・・・」


ミノタウロスは何とかハムハムから離れて起き上がろうとするが、ハムハムがその隙を与えない。

ハムハムはミノタウロスの指を捕まえたまま、ズダーン!ズダーン!と何回も左右の地面に叩きつける。

ええ~?これ一体どうやってんの?!

目の前で実際に起こっている現象に驚いた俺たちはそれぞれ感想を呟く。


「おいおい!作った僕が言うのもなんだけど、何だこりゃ?」

「御主人様、これは・・・」

「凄いね!シノブ!」

「あんな小さな体でどうやって・・・?」

「信じられません・・・」


目の前で見ている俺たちにも信じられないような光景だ!

いや、ハンナ&バーバラのアニメとかじゃないんだから!

これ、物理法則はどこ行った?

まるでアリかネズミが、ゴリラか恐竜を相手にしているみたいだ!

あのエレノアですら驚いている!

やがて何回目かの地面に叩きつけられた時に、耐久力がなくなったと見えて、ミノタウロスは光り輝きながら四散した。

ハムハムの勝利だ!

当の本人はしてやったりとばかりに、その場で何だかよくわからない勝利の踊りのような物を踊っている。

それを見たグレゴールさんが驚く。


「これは・・・凄いですね?」

「ええ、私もおそらく勝てるとは思っていましたが、こんな勝ち方をするとは思いませんでした・・・」


そりゃ確かに生まれた時に「力の一号」とは名づけたが、こんな勝ち方をするとは予想外だ。


「あれはシノブさんが学習をさせたのではないのですか?」

「確かに迷宮でレベルの低い魔物相手に訓練はさせましたが・・・」


俺は迷宮でシャルルやポリーナを鍛える時に、ついでにハムハムとムサビーも連れて行った。

たまには弱い魔物と戦わせてみたり、レベルの高い魔物と戦っている最中も、俺やミルキィの肩でジーッと俺たちの戦いを見せていたのだ。

そういえば俺が気まぐれに人型の魔物の手を取って、そのまま壁や床に叩きつけた時もあったかも知れない。

確かにそれを見ていて戦闘の学習はしただろう。

しかしどうやらハムハムは俺の想像以上の学習をしたようだ。

俺が感心しているとグレゴールさんが話しかけてくる。


「ではもう一匹、ムサビーでしたか?

そちらも戦わせてみますか?」

「ええ、お願いします」


再び別のミノタウロスが放たれて、今度はムサビーが相手をする。

ムサビーは航空魔法が使えるので、いきなり両手両足をバッ!とムササビのように広げて空を飛び始めて、ミノタウロスに対して魔法攻撃を始める。

ムサビーは火炎、凍結、雷撃の各呪文が使えるので、ミノタウロス程度ならば、どれを喰らっても数発喰らえば終わりだ。

ムサビーが空を飛びながら火炎呪文を3発ほど放つと、その呪文でミノタウロスは黒焦げになって、その場に倒れる。

素早く空を飛び、中距離から呪文を放つムサビーにミノタウロスは何も出来ずに終った。

ムサビーの勝利だ。

流石は「力の1号」に対して「魔法の2号」だ

ムサビーはハムハム以上にあっさりとミノタウロスを倒すと、そのまま俺の元に優雅に飛んで戻って来て、肩にストン!と留まる。

そこで周囲に向かってペコリと御辞儀をする。

その戦いが終わった後の礼儀正しい姿に、思わずシャルルやポリーナたちが拍手をする。


「ハムハムも凄かったけど、ムサビーも凄いね!」

「ええ、本当です!」


どうやらこの2匹は製作者の俺が予想していた以上に強いようだ。

再びグレゴールさんが感心して話す。


「双方共にお見事ですね?

それで・・・この2匹は十分に「黒鉄等級アイアンクラス」の実力を持っていますが、登録をしますか?」


そのグレゴールさんの質問に俺は首を横に振る。


「いえ、これはどの程度戦えるかを公式の場で確認してみたかっただけなので、登録する気はありません。

私としてもこの2匹が予想以上の実力を持っていた事が判明しただけで満足です」


この2匹を登録してしまったら毎年登録料もかかるし、義務ミッションもこなさなければならないだろう。

正直、こんなちまい2匹のためにそこまではやっていられないし、忘れてしまいそうだ。

それに本来この2匹は愛玩用に作ったのであって、戦闘用ではない。

ある程度の実力があるのはわかったし、何かの時には使えるだろう。

今回はそれで良しだ。

グレゴールさんも俺の言葉で納得したようだ。


「承知しました。

それではこれから皆さんの登録証を御作りしますので、お待ちください」

「はい、よろしくお願いします」


俺たちはそれぞれ登録証が作られるのを待つ事となった。


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