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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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149 友、遠方より来る!

 シャルルは父の仇を討つために、デニケンの家を出て、俺の家に避難する事となった。

その間に修行をしてレベルを上げ、どんな事にも対応可能なように自分自身を鍛えるのだ。

しかし、当面はそれで良いとしても、問題はやはり事件の真相だ。

今回のシャルルの話でデニケンがシモンさんを殺した可能性はグンと高くなったが、それでも決定的ではない。

依然として実はデニケンは何も関係がなかったという事はありうるのだ。

何しろもはや何年も昔な事だけに、それをどう探るかもこれからの問題だ。

シャルルもそう考えたようだ。


「だけど、父の事とデニケンの事を調べるのにはどこからかかろうか?」

「確かに何年も前の事だからな・・・」


俺たちが無言になって悩んでいると、部屋の戸を叩いてガルドが話しかけてくる。


「御主人様?」

「どうしたんだい?」


俺が尋ねると、ガルドが戸の外から答える。


「大事な御相談中に申し訳ございません。

ただいま、御主人様とエレノア様の御友人とおっしゃる方がいらっしゃり、御二方と面会を求めております。

いかがなさいますか?」


何?

一体誰だ?

シャルルとユーリウスさんを除けば、この町に俺の友人といえる人間など一人もいない。

俺は驚いてエレノアを始め、みんなと顔を見合わせた。

まさかデニケンにこちらの情報が漏れているとは思えない。

しかし、変に隠し立てすると、余計に疑われるだろう。

現状下ではまだいくらでも俺とシャルルが遊んでいただけだと誤魔化せる。

誰だか知らないが、ここは普通に対応した方が良いだろう。

俺がそう判断してエレノアやユーリウスさん、シャルルと目線を交わすと全員がうなずく。


「わかった。入れてくれ」

「では、どうぞ」


俺がそう言うと、ガルドが部屋の扉を開けて、部屋の中に入ってくる人物がいる。

その人物は陽気そうに俺たちに話しかける。


「やあ、どうしたんだ?

何だかみんなちょっと怖い顔をしちゃって?」


俺はその部屋に入って来た人物を見て驚いた。


「オーベルさん?」

「よお!シノブ君、それにグリーンリーフ先生!お久しぶりです」


なんと、それはメディシナーにいるはずの第三無料診療所所長代理のオーベルさんだった。


「どうしてここにいるんです?」


俺の質問にオーベルさんが機嫌よく答える。


「な~に、第三無料診療所の引継ぎも無事に終わったんでね。

俺も中央治療院に戻って、レオニーちゃんのそばで働こうと思ったんだが、その本人に、君とグリーンリーフ先生から「アレ」を習って来いと言われたのさ。

今度は時間もあるし、休暇も兼ねて2ヶ月位は構わないからゆっくりと行って来いとね。

俺も喜び勇んで、最高評議長様からの紹介状を持って、ロナバールの君の家を訪ねたのさ。

だが、留守だと聞いて、家令のアルフレッドさんからここを聞いてやってきた訳さ」

「なるほど・・・」


アレというのはもちろん、PTMの事だろう。

確かに不特定多数の場所で、その名を口にする事は出来ないし、それを習うという事は相手がそれを習得しているという事になるから、もちろん、余計に口にする事は出来ない。


「そうしたら、何だか皆で集まって悩んでいるみたいじゃないか?

 初めての人もいるし、紹介がてら俺にも話して良い事なら話してくれないか?」

「そうですね、皆さん、この人は治療都市メディシナーの最高評議長である、レオニー・メディシナーさんの長年の学友であり、副官でもある、オーベル・ライトンさんです」


俺の紹介にギョッとしてシャルルが反応する。


「メディシナー最高評議長の副官?」


メディシナーは魔法以外も含めて、あらゆる治療技術の中心都市として、アースフィア中にその名を轟かせている。

そこの最高評議長ともなれば、普通に考えればとんでもない大人物だ。

その副官ともなれば、当然大物だ。

そんな人物をいきなり紹介されたらシャルルが驚くのも無理はない。

驚くシャルルにオーベルさんがにこやかに答える。


「そうですよ、え~と君は?」

「申し遅れましたが、私はノーザンティの理事の一人、デニケン様の執事見習いで、シャルル・クロンハイムと申します」

「クロンハイム?ひょっとして君はシモンさんの息子か何かなのかい?」

「はい、そうです。

父を御存知なのですか?」

「ああ、そりゃ君のお父さんはここの筆頭理事だったからね。

俺もほんの少しだが面識はあったし、その息子さんとは奇遇だね?」


それからオーベルさんは、奴隷の首輪をしているミルキィを見て質問をする。


「そちらの獣人の彼女は?」

「私はシノブ様の2番奴隷で、ミルキィと申します」

「はは、なるほど、相変わらずシノブ君はやるねぇ」


やるねぇって・・・何をやるんだ?

いや、まあ確かにやる事はやっているけどね。

俺が残りの人たちを紹介する。


「そしてそちらはポリーナ・パーシモンさんと言って、シモンさんの関係者です。

もう一人はヴェルダと言って、彼女に仕えるジャベックです」

「ジャベック?ほう?

これほど人間に近いジャベックを作れる人が、グリーンリーフ先生やユーリウスさん以外にもいたとはね?」


おや?この人はユーリウスさんを知っているのかな?

そして最後に残ったユーリウスさんがオーベルさんに話しかける。


「そういえばレオニーさんは最高評議長になったと伺いました。

 祝辞も送らず申し訳ありませんでしたね」

「いえいえ、本人も面倒事が増えて、良かったのか、悪かったのか悩んでいるくらいですよ」


ドロシーさんが横にいたら早速蹴りを入れられそうだ。

しかし、この会話からすると、やはり二人は知り合いなのか?


「あれ?ユーリウスさんは、オーベルさんを知っているんですか?」


俺の質問にユーリウスさんが答える。


「はい、たまたま以前に知り合う機会がありまして」

「はは、俺は第三に転属する前は、魔法協会で、魔石の買い付け担当をしていてね。

その頃に何回かここに魔石の買い付けに来て、ユーリウスさんとは知り合いなのさ」

「そうだったんですか?」

「それで、何を悩んでいたんだい?

それとも俺が聞いちゃまずいことかな?」


そのオーベルさんの言葉に俺はエレノアやユーリウスさんと目線を合わせるが、二人ともうなずく。

この人がデニケンと関係している可能性はまずありえない。

仮にあったとしても、事情を知れば、まず我々側につくのは間違いない。

この人なら信用できるし、むしろ何か俺たちが思いつかない方法を考えてくれるかもしれない。

俺はオーベルさんに事情を話す事にした。


「実はこのシャルルとポリーナの事で、みんなと相談していたんです」


俺はこれまでの顛末を話した。

話を聞いたオーベルさんが腕を組んで考えながら話す。


「ふん・・・なるほどね・・・

確かに俺もあのデニケンって人の良い噂は聞いた事がないがね・・・

しかしそれならまずは裏を取るのがいいんじゃないか?」

「それはそうですが、どうすれば良いのか・・・

何しろ何年も前の話しだし」

「それは俺に任してくれ!

こう見えても俺はここにも結構知り合いがいるんでね。

ここにいる間にその連中に色々と聞いてみるよ。

もちろんヘマはしないから安心してくれ」

「わかりました、お願いします」


う~む、レオニーさんの修行の時といい、確かにこの人はこういう時には頼りになる人だな~


「うん、ところで、代わりと言っては何だけど、この件が終わったら俺の方の件もよろしく」


オーベルさんの言葉にエレノアがうなずいて答える。


「わかりました。

私が責任を持ってあなたに教えましょう」

「ははっ、全く三高弟の御一人であるグリーンリーフ先生に教われるのは光栄ですよ」

「あの?三高弟って言うのは?」


シャルルの質問にオーベルさんが答える。


「ああ、このエレノア・グリーンリーフ先生はメディシナーの始祖ガレノス様の直弟子で、ガレノス三高弟と言われている方の御一人だ。

メディシナーの母とも言われ、メディシナー独立戦争の英雄でもある。

ま、ぶっちゃけメディシナーで一番偉い人だと思ってもらって良い。

最高評議長なんて足元にも及ばない位のね」


そのオーベルさんの答えにシャルルが仰天する。


「ええっ?エレノア先生って、そんな凄い人だったの?シノブ?」

「まあね」


簡単で素っ気無い俺の返事にシャルルはあきれ返る。


「まあねって、君、そんな凄い人を奴隷にしちゃってて良いの?」


それは俺も常日頃疑問に思う事だ。

素直にシャルルの言葉に同意する。


「それはその通りなんだよね。

全く俺には勿体無いというか、恐れ多いと言おうか・・・」


俺がそんな事を言っていると、すかさずエレノアが説明をする。


「シャルル、御主人様には私の方から奴隷にして欲しいとお願いして、奴隷になったのですよ?

何も問題はありません」

「ええ?そうなんですか?」

「ええ、その通りです」

「うん、何故か、そうなんだ」


俺とエレノアの説明が終わると、再びオーベルさんが話し出す。


「いや、それにしてもありがたい。

実はまったくレオンの奴が自慢たらたらでね。

自分はあのグリーンリーフ先生の直弟子だって・・・

これであいつの口を封じられるってもんです」


オーベルさんの話に俺も笑って答える。


「ははっ、あいつはエレノアの熱心な信者ですからね」

「全くだよ、まっ、それに関しては俺やレオニーちゃんも負けないがね」

「そうですね。でも僕も負けないですよ?

だけどレオンのエレノア崇拝度は凄いからな~」

「ああ、なんと言っても物心ついた頃からだって聞くからねぇ」

「そうですね」


俺たちの会話で興味を惹かれたのかシャルルが質問をする。


「・・・あの、レオンって言うのは?」


シャルルの質問にオーベルさんが再び答える。


「ああ、レオンって言うのは、レオンハルト・メディシナーと言って、現メディシナー家の当主で、現最高評議長であるレオニー・メディシナーの弟ですよ。

こいつがまた、このエレノア・グリーンリーフ先生の大ファンでしてね」


そのオーベルさんの説明を聞いて、シャルルがまたもや驚く。


「メ・メディシナー家当主と最高評議長?

シノブ、君、そんな人と友達なの?」

「うん、まあね」

「まあねって・・・君、エレノア先生の事と言い、本当に神経太いね?

 僕だったらそんな人と知り合いになったら、緊張しちゃって胃が痛くなりそうだよ」

「いや、レオンもレオニーさんもそんな人じゃないから大丈夫だよ」

「そうなのかい?それにしても凄いなあ・・・」


感心するシャルルにオーベルさんが笑って話す。


「ははっ!な~に、シノブ君だって今に大物になるさ。

それに関しちゃ俺が保証するね!

ところで、シノブ君とグリーンリーフ先生はここに何しに来たんだい?

アルフレッドさんの話では何かの講義をしに来たと聞いたけど?」

「ああ、それは僕の考えたジャベックの学習法をユーリウスさんが気に入って、それの講義をしに来たんですよ。

それと数字のですね」

「ああ、あの数字は便利だよねえ。

メディシナーでもすっかり浸透して、来期からは魔法学校でも正式に教える事になりそうだ」

「え?学校で?」

「そうさ、あんな便利な物を教えない方がおかしいだろう?

そうそう、その事で元祖の君に相談もあるんだが、あの数字をわかりやすく説明した本か何かはないかね?

それもレオニーちゃんから頼まれていてねぇ」


それはちょうど良い。

俺はオーベルさんに俺たちが作った本の説明をする事にした。


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