表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
10/480

002-3 魔法戦闘

異世界に来て三日目、この日も朝から森に行き、迷宮に入り、鈴をつけて、経験値稼ぎを続けた。

今度はいよいよ攻撃魔法を使ってみた。

アプロが出てきたので、早速、火炎魔法を使ってみた。


「フラーモッ!」


呪文とともに俺の指先から炎の玉が出て、アプロに当たる。

アプロは一発で丸焦げとなった。

一発で戦闘終了だ。

おう!結構この魔法強いな。

次に出てきた大さそりには冷凍魔法をかけてみた。


「グラツィーオ!」


こちらも一発で凍結する。

すると絶命したらしく、凍った大さそりはパアッと四散する。

なるほど。

ちなみに凍った時に全体が氷のような物で覆われるが、どうもそれは氷ではなく、魔素のような物らしい。

それは火炎魔法の時の火に見える物も同じで、魔素が炎のように見えるらしい。

何回か、出てきた魔物に魔法攻撃をしているうちに何だか体がだるくなってきた。

体力は全然減っていないのになぜだろうと考えて、ともかく回復魔法を使う事にした。

今までほとんどが一撃で倒せた上に、相手の体力を吸収していたので、回復魔法を使うのも、これが初めてだ。


「クラーチ!」


俺は初めての回復魔法で、さぞかし体力が回復するだろうと思った。

しかしあろうことか、回復魔法を使ったら、余計に疲れて頭がクラクラしてきたのだ。

(え?これ、いったい何?)

回復魔法を使ったのに、余計に疲れるとは一体どういう事か?

俺はそれに関して考えてみたら、思い当たる節があった。

確か魔法力を消耗すると、頭がクラクラしたり、気分が悪くなってくると神様が言っていた。

しかも0になると気絶してしまうような事も聞いたのを思い出した。

俺は慌てて魔力回復剤を1本飲むと、すぐに気分は良くなった。

どうやら正解だったようだ。

なるほど~魔法力がなくなってくると、あんな風にゲンナリしてくるのか・・・

それからは魔物が出てくると火炎魔法や冷凍魔法で倒して、何回か使った後で気分が悪くなってくると、剣で倒してみた。

剣には体力吸収と魔力吸収がついているので、何匹か魔物を倒すと、魔力が回復して気分が収まる。

ちなみに今日の剣は鋼の3倍剣に戻している。

それでもこの迷宮の魔物は一撃で倒せるようになっていた。

そしてそれを何回か繰り返しているうちに、だんだん魔法の使い方のこつがわかってきた。

剣で攻撃すれば、敵の体力・魔力を吸収できるので、体力も魔法力も回復の必要がない。

そしてある程度魔力が回復したら魔法を使ってみる。

その繰り返しで、俺は出てくる魔物を倒しまくった。

魔法の練習も兼ねて、一日中迷宮に入っていた結果、レベルは20になった。


そして異世界4日目、この日も迷宮にもぐり、レベルアップを続けた。

今度はいよいよ使役物体魔法、いわゆるゴーレムを使ってみた。

正確には低位使役物体魔法なので、タロスというらしいが、ま、いいか。

この魔法は魔法大全の説明を読んだ限りでは、魔法力も多く消費するし、扱いも難しいので、今まで使うのを控えていたのだ。

何しろ単純な攻撃魔法のように、魔法で火の玉を作って飛ばしてバン!という訳にはいかない。

しかしレベルはだいぶ上がったし、そのおかげで最大魔法力も増えた。

他の魔法も使い方に慣れてきたので、そろそろ使ってみても良いだろうと考えたのだ。


「まあ、ともかく、まずは作ってみるか」


一人つぶやくと呪文を唱える。


「アニーミ・エスト!」


俺が神様に教えられた通りに使役物体魔法を使うと、迷宮のその辺の土が、突然ムクムクと盛り上がり、あっという間に人型になると、ゴーレムが完成した。


「おお・・これが・・・」


何もない場所に、いきなり人型の物が出来上がったので、俺は感動した。

完成したゴーレムをしげしげと見ると、俺の身長より少々低い位の大きさの人型で、触ってみると、その表面はごつごつとした岩か土のような触感で、いかにも土か岩で作ったゴーレムという感じだ。

しかし実際にはこれは魔素で出来ていて、慣れてくれば、ある程度見た目や触感は変えられるらしい。

人型なので、腕や足はあるが、目や耳、鼻や口はない。

のっぺらぼうだ。

これでどうやって周囲を感知するのだろうか?不思議だ?

試しに鑑定してみると、レベルは3?

え?意外に低いな・・・

しかも、そのゴーレムは動かない。

なぜだろう?

そうか!しまった!

そういえば何にも考えないで、ただゴーレムを作っただけだった。

たしかゴーレムを作る時は、どういう動かし方をするかを考えながら呪文を唱えるのが重要なんだっけ。

作ったはいいが、動かないゴーレムを、どうしたら動くかと考えていたらゴブリンが出てきて、俺の作ったゴーレムを攻撃してきた。

全く動かない無抵抗なゴーレムは勿論ガンガン攻撃されて、数回攻撃されただけで、体力が尽きたと見えて、あっさりと崩れると、光の屑となって四散してしまった。

その後には何も残らない。

ゴブリンの勝利だ。

そのゴブリンは勝利の雄たけびを上げると、そのまま勢いにのって、俺に襲い掛かってくる。

俺は剣を一振りすると、そのゴブリンをやっつけた。


・・・ぬぬぬ、俺の作った記念すべきゴーレム1号は儚くも何もせずに、その一生を終えてしまった。

おのれ、次こそは!・・・

次はちゃんと魔物を倒す事を念じながらゴーレムを作った。

出来たゴーレムのレベルを鑑定すると、今度はレベル8!

おお!さっきより全然高いじゃないか!

俺が喜んでいると、再びゴブリンが出てきたので、俺自身はゴブリンの攻撃をよけつつ、どうなるかと様子を見守っていた。

すると、今度のゴーレムはちゃんとゴブリンを相手に戦いだした。

おお!偉いぞ!それでこそゴーレムだ!

やがて相手を倒すと、同時にゴーレムも崩れた。

ほぼ相打ちか・・・まあ、レベル8だったしな。

ゴブリンと互角くらいか?

しかし、どうやらまだ使い方が未熟らしいが、何とか使えるようになってきたようだ。


次に作ったゴーレムは何となく踊りを踊らせてみた。

踊りといっても、手足をしっちゃかめっちゃかに動かしているだけだ。

より正確に表現するならば、単に無作為に手足を動かしているという表現の方が正しい。

踊るように念じて完成したゴーレムはしばらくの間、変な踊りを踊った結果、やはり崩れ落ちた。

どうやらまだまだ練習不足のようだな。

しかしまだたったの3回しかゴーレムを作ってないのに、えらい体がだるくなっている。これはあと1回か、2回位しかゴーレムを作れないか?

やはりゴーレム作成はかなり魔法力を消費する様子だ。

俺はとりあえず魔力回復剤を飲むと、ふと思いついて、マギアサッコにしまってあったオリハルコンの魔力消費10%の指輪をつける。

これを装備しておけば、本来の1割しか魔法力を使わないはずだ。

指輪をはめてゴーレムを作ると、ほとんど疲れた感じはしない。

どうやら正解だったようだ。

しかしこの指輪は暗闇だと紅く光るし、普通の状態でも少しは光って見える。

オリハルコンの品物は非常に貴重だと聞いていたし、こんなに光っては目立つので、レベルが低いうちは装備しない方が良いだろう。

俺はそう考えると同じ魔力消費10%だが、ミスリルの指輪に替えた。

うん、これならそれほど目立たないだろう。


そうして、何回か使役物体魔法でゴーレムを作っているうちに、いくつかの事がわかってきた。

魔法を唱える時にしっかりと目的をイメージしないと、出来損ないになって動きが悪い事。

ちゃんと完成しても、しばらくの間は動くが、何回か戦うと、結局は崩れて消滅する事。

どうもそれは魔法力が尽きているらしい事。

ただしそれは術者の錬度に比例するらしい、事実、最初の頃に作ったゴーレムは、何もしないでいても2・3分で崩れてしまったが、慣れて来るにつれて、生存時間はどんどん増えていき、今では30分以上でも崩れないでいられるようになった。

この調子で錬度を上げていけば、半日位は持つ奴が作れるようになるのではないだろうか?

そして作った時や、崩れる時に、土が盛り上がったり、崩れ去るように見えるが、実際に土は関わっておらず、ゴーレムの体のほとんどは魔素らしい物で構成されている事。

魔法力さえあれば、何回でもゴーレムを連続して作れる事。

試しに俺は魔法力消費10%の指輪をはずして連続でゴーレムを作ってみたら8体が限界だったが、指輪をつけると10体ほど作った所で、通路が一杯になってしまったので、それ以上は作るのをやめた。

しかし、何回かゴーレムを魔物と戦わせているうちに、俺はふと、魔物をゴーレムが倒した場合、経験値はどうなるのだろう?と考えた。

ちなみにゴーレム自体はレベルは固定のはずなので、レベルが上がる事はない。

疑問に思った俺は、しばらく自分が攻撃せずに、ゴーレムだけを使って魔物を倒しまくってみたが、そうしているうちに俺のレベルが上がった。

どうやらゴーレムが倒した分の経験値は術者に入るらしい。

ゴーレムの操作に慣れてきた俺は、さらに深い階層にもぐり、ゴーレムと一緒に戦い続けた。

戦力が増えて、レベルの高い魔物を倒し続けたために、俺のレベルは上がっていった。


かなり使役物体魔法にも慣れてきたところで、俺はちょっとした実験を思いついて、一旦地上に上がった。

狭い所では出来ない実験だからだ。

地上に出た俺はゴーレムを大量生産し始めた。

作れる上限を知りたかったからだ。

果たして魔法力の限界までいくつでも作れるのだろうか?

そう考えた俺はゴーレムを作り続けた。指輪なしで8体作れたという事は、指輪をつけていれば、理論的には80体以上作れるはずだ。

俺はどんどんゴーレムを作り続けて森に放った。

ちなみに現在出来上がるゴーレムのレベルは大体俺のレベルの半分から7割、すなわち10から15位のレベルだ。

どうも生成時に集中するほど、レベルが高くなる傾向があるようだ。

試しに一回これ以上はない位に気合を入れて作った奴は、レベル17で誕生した。

出来たゴーレムたちは、基本的にはその辺で警戒させて、魔物を見つけたら攻撃をするように作ったが、たまにその場でひたすら踊る奴や、俺の周囲を意味もなく全力でグルグルと走らせる奴など、練習も兼ねて、違うタイプも作ってみた。


そんな事をしてゴーレムの数が30を超えると、回りの様子が、中々壮観になってくる。

何しろ俺の周囲にはウロウロと警備している奴を中心に、ひたすら踊り続ける奴、ただ、グルグルと俺の周囲の円周を走り続ける奴、そこらの石を拾っては投げ続ける奴、ひたすらその場でジャンプし続ける奴、無意味にそばにある木を殴り続ける奴などがいて、見ていると中々シュールだ。

様々なゴーレムを見ながら作り続けると、ついにその数は85体にまでなった。

ここまで作った時点で、俺の意識は朦朧としてきたので、魔法力の限界なのだろう。

実際、自分の魔力ステータスを見たら2しか残ってなかった。

ここで一旦、魔力回復剤を飲んだ俺は、さらにゴーレムを作り続ける。

そしてさすがに100を少々超えた時点で作るのをやめる。

どうやら魔力さえあれば、いくらでも作り続けられるらしい事がわかったからだ。


それにしても100体を超えたゴーレムは壮観だ。

そういえば、こいつらって魔法力が尽きるまでこのままの筈だが、こっちの命令で消滅する事は不可能なのだろうか?

その方法はあるような気がするが、今の所俺にはわからない。

すでに何体かは魔物と戦い始めているのもいるが、俺はとりあえず魔物の鈴をつけて、その辺を歩き回った。

途端に森のあちこちから魔物たちがやってきて、周囲にいたゴーレムたちと戦い始めた。

100体以上のゴーレムと魔物の群れが戦う姿は中々見ごたえがある。

ほとんどの魔物が俺の周囲で警戒していたゴーレムと戦っているが、結構警戒はザルなので、たまにその防衛網を突破して、俺に攻撃をかけてくる魔物もいる。

しかし当然の事ながら、もはやこの森の魔物など、俺の敵ではない。

俺はそれを軽く一振りで倒しながら見物をする。


うん、みんな中々がんばっているな。

あ、あそこの踊っている奴がやられた。

まあ、踊っているだけだったからな。

別の所ではただひたすらグルグルと走っていた奴や、その場でジャンプしていた奴もやられている。

5分ほどもすると、魔物もゴーレムたちも、御互いに潰しあって、全ていなくなったので、俺は魔物の鈴をしまった。

そしてついに俺のレベルは22となっていた。

う~ん、これって魔物の密集地帯でゴーレムを出し続けていれば、自分が戦わなくとも、レベルはどんどん上がるのではないだろうか?

もっともこれは魔法力消費10%のアイテムがなければ魔法消費が激しくて、とてもやってはいられないだろう。

それに俺は今回実験なので、魔力回復剤を何本か使ったが、確か体力回復剤と違って、魔法力の回復剤って、たいていの魔法世界では高価だった覚えがある。

まだこの世界では売っているのをみていないし、実は恐ろしく高価なのかもしれない。

そう考えると、対費用効果的には効率的とはいえないかも知れないし、実は知らずにとんでもなく、馬鹿な事をしているのかも知れない。

そういった事がわかるまでは、この方法はしばらくは封印だな。

俺はそう結論した。


それにしても、使役物体魔法というのは相当奥が深いようだ。

魔法大全には「使役物体魔法は、もっとも簡単な魔法であると同時に、もっとも難しい魔法でもある」「ゴーレム魔法は攻撃魔法に次いで使い手が多い」「まともなゴーレム魔法の使い手は数が非常に少ない」などと書いてあった。

最初それを読んだ時に、俺は矛盾しているのでは?と思っていたが、その理由が、やっとわかってきた。

つまり単純なゴーレムを作るだけなら攻撃魔法よりも簡単なのではないだろうか?

確かに大抵は攻撃魔法を先に使えるようになるが、それはおそらく使役物体魔法が恐ろしく大量の魔法力を消費するからで、もしレベルが低い時から魔法力が十分にあれば、ゴーレムを作る方が簡単なのだろう。

事実、火炎球を出すには魔法力が10ほど必要だが、ゴーレムを1体生成するには魔法力を120ほども消費する。

だから単純に魔物を攻撃する程度のゴーレムを作るだけなら、かなり初心者でも魔法力さえあれば可能なのだろう。

しかし複雑な家事、掃除や洗濯などをさせるには相当複雑な命令が必要だろうし、ましてや料理などという繊細な仕事をさせるようになるには、かなり熟達しなければできないだろう。

したがって水汲みのような単純なゴーレム使いならかなりの数がいるだろうが、日常の複雑な仕事をさせるゴーレムを作れるようなゴーレム使いは非常に少ないのだろう。

そう考えるなら一見、矛盾したような文章も納得できる。

ゴーレムで色々な実験をしたので、流石に疲れてぐったりとして、家に戻ると、俺のレベルを聞いてメリンダさんが驚いた。


「確か、私の義父がレベル21で、村で一番レベルが高いコラージさんが、レベル23のはずですから、レベル22となると、それと同じくらいですね」


そうか?

では取り合えず、俺のレベルはこの村一番の使い手に近いぐらいにはなったのかな?


「それって、結構高いほうですか?」

「私も詳しい事はわかりませんが、少なくとも大きな町に行っても、そこそこの強さなのではないでしょうか?」

「なるほど、ところで、あの森の迷宮って、どれ位の規模か、わかりますか?」

「広さはそれほどでもなく、深さは確か地下5階までと聞いています」


そうか、地下5階までなら、確かにそれほど大きな迷宮ではないだろう。

今日地下4階まで行ったはずだから、明日には攻略できるだろうか?


「では、とりあえず明日は一番下まで行けるか、試してみましょう」

「気をつけてくださいね、話によると、地下5階の魔物は、ずいぶんと強いそうですから」

「はい、ところで村の人は、あまり迷宮にはいかないのですか?」

「ええ、地下4階位までは行く事はあるようですが、それ以上はあまり行かないようです。

大抵は行っても、地下2階か3階くらいで引き上げてくると聞いています」

「何か理由があるのですか?」

「何でも地下5階にはあの迷宮の主がいて、その主はかなり強いらしく、勝つのにはレベル25前後はある数人でないと危ないそうなので、うっかりその場所へ行かないように5階には行かないようにしているらしいです。

それにさっきも言ったように地下5階の魔物はかなり強いらしく、この辺で暮らすには地下3階程度の魔物を倒せれば十分なので、わざわざ危険を冒してまで行く必要はないと聞きました」


なるほど、つまり地下5階にはボスモンスターがいるって事か。

それは確かに気をつけないとな。


「ありがとうございます。その辺は気をつけて行って来ましょう」

「ええ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アースフィア 4日目


名 前 : シノブ・ホウジョウ


レベル : 22


年 齢 : 15


状 況 : サーマル村北西の迷宮で、様々な魔法を使って魔法に慣れる訓練をする。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ