第四話 祝福の武器
「ちなみにですがHPは1ポイントで10上がりますが、他のステータスは1ポイントにつき1上がります。SPはレベル等で入手することができます」
なるほどな。最初からHPに振っておこうとはおもってなかったが。
「質問なんだが、刀を扱うのに必要なステータスはなんだ?あと、そもそも刀はあるのか?」
「安心してください。刀はありますよ。刀を扱うのに必要なのは武器を持つのにSTR(筋力)、そして刀を扱うためにDEX(器量)が必要になります。刀は他の武器種と比べてDEX(器量)の要求値が高いので初めから使うなら最低でも10振っておくことをおすすめします」
「ありがとう。なら、ステータスも決まったぞ」
「もう私はその決定の早さに驚きませんからね」
〈シュン〉
レベル:1
職業:なし
HP(体力):10
MP(魔力):0
INT(知力):0
STR(筋力):30
DEX(器用):10
AGI(敏捷):30
VIT(耐久力):0
LUC(幸運):0
SP:0
加護:なし
代償:なし
制約:なし
スキル:なし
なかなかにいいステータス配分だな!耐久は紙、攻撃性能は極振り。最高だぜ。
「あっ、あー、いるんですよねー、こういう人。あなたは分かってる人だと思い説明はしなかったとのですが。流石に全く耐久面に振らない極振りはこれからの冒険が絶対大変になりますよ。今ならまだやり直せます。考え直してください」
物凄く呆れられた感じだがしょうがない。俺はいつもこのスタイルなんだ。守りを捨てた攻撃スタイルはロマンだろう。
「いや、このまま行く。後悔はしない」
「言いましたね。私は忠告はしましたからね。自己責任ですからね。」
ため息をつきながらそんなこと言ってくる。自分で選んだんだ、どんなに辛くてもトキのせいにしない。俺は覚悟を決めて頷く。
「気を取り直して。では、最後にあなたに武器を送ります。本当は貴方がこの武器一覧表から選ぶのですがどうせ刀一択でしょうし、即決だと思いうので直接渡します。少しですが私の力を込めます。貴方だけが特別ではないので勘違いしないで下さいね」
そう言うとトキはどこからともなく柄にも鞘にも全く装飾なされていないシンプルな刀を取り出した。そして目を閉じ、これまでとは違う荘厳な佇まいになる。
「宇宙の庇護を捨て、地上に降りる勇気あるものに力を……」
言い終わると同時に刀全体が淡い水色に輝き、しばらくすると光が収まる。なにかの魔法だろうか、何にせよめっちゃカッコイイ。
「どうぞ、シュン様。……あの、丁寧なのはいいことですが片膝立ちでそんなに恭しく受けとる必要はないんですよ」
今の俺は片膝立ちで頭を下げ両手を差し出すような格好だ。よくマンガとかで王から剣を受けとる時によくやるあれだ。
「ありがとう、大切にする。……あとこれ一回やりたかった」
「そんなことだろうと思いましたけどね……。武器は装備しないと意味ないのでしっかり装備してくださいね」
「分かってるって」
さっそく装備してみる。ついでに効果の程を確認しよう。
【聖柄の祝刀】
〈祝福武具〉
導き手“トキ”が“シュン”へこれからの冒険の祝福を祈って作られた祝福の刀。
柄に皮が着けておらず木地のままである。まったく装飾されていないシンプルな見た目だが、祈りの力が付与されている。初めに持つものとしては破格の性能を誇る。これからの冒険で必ず力になるだろう。
・攻撃力:30
・武器効果
なし
・祝福効果(“トキ”の祝福)
HP+50
STR+30
AGI+30
武器耐久力特大アップ
装備時〈“トキ”の祈り〉をスキルに追加
このゲームをまだ詳しく知らない俺でも分かる、これはやりすぎだ。こういうのって差がでないようにするものではないだろうか。
「あのー、失礼ですがこれはやりすぎでは?」
「だって貴方がいろいろ即決で決めてしまったせいで仕事してない気分なんですもん。少しくらい仕事させて下さい。残りの大きな仕事もこれしか無いですし、これくらいやったって問題ない……です。……たぶん」
ちょっと頬を膨らませて言う。かわいいなおい。その後の言葉は不安しかないが。
「まあ、あげちゃったものはしょうがありませんので大切に使ってくださいね!」
「そうだな。貰っちゃったものはしょうがないよな」
強くて困ることはないと思うし、ラッキー程度に考えておこう。うん。
しばらく毎日投稿を続けます。頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!