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第二話 キャラクターメイクだけどメイクしない

 閉じた瞼に光を感じ、目を開ける。いつもの天井ではなく、視界いっぱいに星空が広がっている。リアルなら都会に住んでいる俺にとってこんなきれいな夜空が見れることはない。どうやらゲーム内に無事入れたっぽいな。ゆっくりと見を起こすと数歩離れたところに夜空に溶けるような黒いドレスを着た黒髪の女性が立っていた。


「ようこそ〈ペイラモス・テオス・オンライン〉の世界へ。天原俊あまはらしゅんさまの召喚をお待ちしておりました。私はチュートリアルアドバイザーの〈トキ〉と申します。貴方が地上に降りるまでの短い時間ですが、よろしくお願いいたします」


 そう言うと彼女は丁寧にお辞儀をする。俺は慌てて立ち上がる。


「ト、トキさんこちらこそよろしくお願いします」


 そう言い俺もお辞儀をする。ちょっと慌てておかしな礼だったかもしれないが気にしないでおこう。


「ごめんなさい……。焦らせてしまったようで。私に話す時はもっと自然でよろしいのですよ?」


 申し訳なさそうな顔をしながらそんなことを言ってくる。子供の頃からの癖で初対面の人にはどうしても固くなりすぎてしまう。ましてや、こんなリアルでも見たことがないような美人の人と話す時なんてなおさらだ。悪い癖だ、普段の自分なんて気にせず行こう。むしろコミュ力アップのチャンスじゃないか。相手は多分IAだということも気にしない。


「じゃあ、楽に行かせてもらおうかな。それで、俺はなにをすればいいんだ?」


「はい。まず、この世界での名前を決めていただきます。改名は可能ですが、基本的にはできないのでよく考えてくださいね。それでは、目の前に表示されるパネルに名前を入力してください」


 何もなかった空間から突如パネルが現れる。リアルでも当たり前になった技術だが、いつ見ても不思議だ。


 俺は〈シュン〉と入力した。本名そのまんまだがそれでいい。他のゲームでも本名にする。ゲームの中だが、自分は自分だ。違う名前にするとプレイするのは俺だが自分じゃないだれかがその世界を生きている気がするからだ。いまいちゲームにはまれない感じだ。変なこだわりだって俺でも思うし、本名を使うのは良くないと友達からも散々言われた。トキにも多分言われるだろう。だが、名前を決められるなら譲れないこだわりだ。


「これでいいか?」


 トキの顔を見ながら決定ボタンを押す。


「シュン、いい名前です。私が言いたいことはシュン様自身分かってるようなので私は何も言いませんよ」


 にっこり笑いながらそう言ってくれた。やはり、アドバイザーらしく言いたいことはあったらしいが察してくれたみたいだ。


「次はこの世界で活動する体の作成です。性別、体格、髪の長さや色など変えることができます。こちらも基本的には変更不可です」


 言い終わると目の前にパンツだけをはいたリアルの俺の姿が現れる。自分の体をよく見るなんて久しぶりだな。身長は普通より少しだけ高く、体格はガッチリはしてないがスポーツした分だけ筋肉はついている。顔もイケメンという訳でない。普通だ。女だが横にいるトキと比べてみると……なんだか悲しくなってきたな。イケメンに生まれたかった。これからイケメンにすることも可能だが、俺はこのままいくことに決めた。


「私が調整することも可能ですが、どうします?」


「いや、もう終わったからいい。この世界ではこのままで行く」


 躊躇なく決定ボタンを押す。再度確認ボタンがでてきたがこれも決定を押す。


「えぇっ!!サービス開始から2年間アドバイザーとしてやってきましたが芸能人や著名人以外でそんな人は私見たことないですよ!正気ですか?正気なのですね……。ごめんなさい取り乱して。逆に変えないというのも悪くないですよね」


 変な気を使わせたみたいで申し訳ない気持ちになるが、決めてしまったものはしょうがない。後悔はしてない。

読んでいただきありがとうございます!

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