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崖の淵で

作者: 武田道子

崖の淵で



逃してしまったものから剥ぎ取った影が

生き物のようにうごめいて

私の心をざわざわと揺らす


私は後悔の崖っぷちに立ち

遠くの青色の半円を見る

緊迫感と焦りと緊張感


崖っぷちに立つ

「ここが世界の終わり」

誰かが描いた落書きが

カタカタと揺れる


遠い空と遠い海が

二つの世界を分けている

あなたと私

それも二つの世界なのだ


この崖っぷちから

飛び立ったら私は

どこへ行けるのだろう


剥ぎ取った影が

視界を妨げる


鷹のように空高く舞い上がれるのか

崩れた岩のように真っ逆さまに海の底に沈むのか

それとも、この崖の上でゆらゆらと

立ち続けるのか


高いところから

崖っぷちを見下ろすと

七日目の朝のように穏やかで安息日のようだ



もし安息が許されるのなら

逃したものから剥ぎ取った影をまとい

遠い空と海の接点が開くときを

ここで待っていようと思う



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