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その66

「人間何考えてるかわからないって足立君言ってでしょう?私もそう思うわ、だからそれを埋めるために私と足立君にわかりやすく絆を作ってあげたの」


俺は勢いよく倉庫から出た。クソッ来るんじゃなかった!校舎から走って急いで奏の家に行く。家の前まで来て足が止まる。どんな顔して会えばいい?奏はきっと傷付く。

俺はそう思って奏にLINEを送った。

やっぱり行けなくなったと‥‥


すると奏から電話が掛かってきた。こんな状態じゃとても出れない。

俺は気付かないふりをした。

その間ずっと奏から電話が鳴りっぱなしだった。


家に着き部屋に入りベッドに寝転がる。

考えを整理する。今日の出来事を。

途端に自分のバカさ加減に気付いた、あんなキスしたからって神城さんからしてみれば俺の弱味を握るなんてできないのだ。

俺がそんなことしてないと言い張ればそれまでだからだ。もし俺が神城さんだったら撮影している。あの橋の下の件みたいに。

やられた!


だがもう遅い。神城さんはまんまと俺とのキスシーンを家に持ち帰り絶対俺はそれを取り返すことはできないだろう‥


神城さんに連絡したいが俺は神城さんの連絡先なんて知らない。もしかすると今井さんなら神城さんの連絡先を知っているかもしれない。だけど俺は今井さんの連絡先はわからかい。奏は当然知っているだろう。

だが絶対に今の今なので怪しまれるのでダメだ。

ヒロキは今井さんの彼氏だがあいつはこういうことが苦手そうだ。きっとヒロキからバレるかもしれない。


俺はもう八方塞がりになった気分でいた。奏は心配しているだろうな。無視してしまったからな。こんなことは今までなかった。打開策を見つけようとしているうちに思考の渦に飲み込まれるようにして俺は寝てしまっていた。


そして夜中に目が覚めた。1時を過ぎていた。リビングに行くと食事がラップに包まれて置かれてあった。寝てたからな、ごめん母さん。


俺は食事を食べ食器を洗う。スマホをポケットから出して見ると奏からの着信が20件以上入っていた。LINEからはメッセージも。

メッセージを見ようと思ったが既読が付くと奏はまた連絡をよこしそうだからやめた。

多分奏はまだ起きてるような気がする、奏は俺のことになると真っ先に俺を1番に考えてくれるからな。

そんなことを思ったら泣きたくなってきた。明日なんて言って会えばいいんだ?


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