その64
学校がまた始まり9月になった頃俺は夜少し離れた所にある総合病院に母さんと一緒に父さんのお見舞いに来ていた。
「最近ずっと出張ばかりだったから少し過労気味ならしい。一応精密検査受けるが心配かけてすまなかったな」
「いいのよ、無理しなくて。もっと重い病気かと思ったんだから。これを機に少し安いとこでもいいからもうちょっと楽な所で働いてもいいのよ?倒れたら意味ないんだし」
「そうだなぁ、優が大学卒業までは頑張りたい所だが」
「別に俺は高校出たら働いてもいいけどな」
「行くか行かないかは結局はお前次第なんだからしっかりと決めればいい。父さん的には行ってくれたら嬉しいが」
「まぁ考えとくよ、でも父さんあんまり無理すんなよ?」
帰りにコンビニがあったので母さんと寄った。母さんに買い物を任せ車の中にいたがなんとなくコンビニの正面にあったベンチに腰掛けてみる。
するとコンビニの角から2人の男女がやってきたて思わず目が合った。
は?神城さん!?神城さんなのだがいつもと違う。胸元が開いた派手な服にブランドのバッグ。学校ではしないような派手な化粧をしている。
それと隣の男はスーツを着ていて初老くらいの男性と腕を組んで歩いていた。彼氏?いや、違う。そんな感じにも見えない。
思わず「神城さん?」と声をかけた。
「あ、足立君?なんでこんな所に?」
神城さんも驚いたのか目を丸くしている。
「絵里ちゃんの知り合いか?」神城さんの隣の男性が言う。
すると神城さんは「ちょっとね、いいから行こう」と言って男性の腕を引っ張った。普段とは違い甘い声で。コンビニに入り際に神城さんがこちらを見てニコッと笑った。
呆気にとられていた俺は母さんが来て「あんた外でボッーとして何してんの?」の言葉でようやく我に返った。
帰りの車の中では母さんの言葉は耳に入らずさっきの光景だけが頭の中で再生されていた。
あれってもしかして援交?神城さんが?なんで?
あの優等生で美少女の神城さんが?




