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その63

「優〜、寂しかったよー!」

夏休みももう終わりの午後、奏が帰ってきた。花火大会に俺と行きたいからその日までには帰れるようにしていたらしい。まぁもう夏休みも終わりだしな。うちの地元では8月後半に開くから花火大会=夏休み終わりと感じてしまう。


「ああ、優の匂い久しぶりに嗅げて幸せ。」犬みたいだな奏は。とか思っているとヒョイと奏は顔を上げた。

今度は不機嫌そうな顔になってる、どうしたんだ?


「優!私に隠し事してるよねぇ?」


「なんのこと?」


「これ!岬ちゃんとツーショットなんて撮っちゃって!岬ちゃんがわざわざ私に当て付けるように送ってきたのよ!」


「ああ、それはこの前あいつがいきなりきてふざけて撮っていっただけだって」


「なぁんてね!わかってたよ、大方そんなことだろうと思ったもん」


「てか今日花火大会楽しみだねぇ、私浴衣着ていくからいっかい帰るね?」


「だったらわざわざ俺の家にこなくてもいいのに」


「だって会いたかったんだもん!浴衣着ちゃうと動き辛いし」


「それなら俺に帰ってきたのLINE送れば良かったんじゃない?」


「だって優たまに気付かない時あるから直接会ったほうが早いでしょー?、じゃあ私そろそろ行くね!」


そして夕方。


「じゃ〜ん!どう?優、似合ってるかな?」

花模様の白い浴衣だ。奏ってやっぱり可愛いな。とても綺麗で一瞬見惚れてしまった。


「あれ?似合ってなかった?」

俺がノーリアクションに見えたのか奏はがっくりいってる。


「いや、凄く綺麗だったから見惚れてただけだ」


「本当!?優にそう言われると凄く嬉しい」


「じゃあ行こっか!」


花火大会はこの前一悶着あった橋の先の河川敷で行う。出店などもあり結構人がごった返す。


腹減ったから焼きそばとたこ焼きとチョコバナナ、りんご飴など買う。てか値段高すぎるよね、出店のって。


「優、口にチョコついてるよ?」

奏がハンカチで俺の口を拭く。


「優、子供みたいで可愛いなぁ」


しばらくすると花火がなる。結構近いのかドンッて音が腹に響く。


「綺麗だねぇ。でもこの光景見るともう夏休みも終わりなんだなぁって思うよね」


「そうだよな、まぁ今年の夏休みは奏のお陰で退屈しなかったよ」


「うん、私も大好きな優といっぱい過ごせたから幸せ」


花火も終わり出店も閉まり始まりそろそろ帰ろうかと思ったらちょっと離れた所に見たことあるような人がいた。なんか凄く綺麗で目立ってる、神城さんだ。


「あ、あれ?神城さんじゃない?すっごく綺麗」

奏も気付いたらしい。

1人なのかな?んなわけないよな。

すぐに帰りの人混みの中に神城さんは消えてしまった。


「優〜、神城さんに見惚れてなかった?」


「まぁ確かに綺麗だけど俺は奏の方が好きだよ?」

そして花火大会も終わり残りの数日の休みもあっという間に終わってしまった。

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