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その61

夏休みの間ほとんど奏が来ている。

俺の母さんが行ったのを本気で捉え朝も起こしにくる。正直もうちょっと寝ていたくてウザねを吐くが奏はいつでも優しく受け入れてくれているのでなんだかそれも心地いい。


「優、今日は水族館行くんだからもう準備しよう?」


「わかったよ」


街の近くには水族館があるがあんまり大きくない。まぁ大き過ぎると見て回るのが疲れるからこれくらいでいい。


規模のわりには高い入場料を払い中に入る。こんな水族館でも奏は楽しそうだ。

見ていて和む。


「ねぇねぇ優、これ優みたいだよ!」

どれどれ?ワニじゃねぇか。全然動かない。置物みたいだぞ?


「これ俺みたいなのか?」


「素の優はいつもこんな感じだよ?」

マジで?面倒くさがり屋だけどここまで動いてないのか素の俺は?


「こんな微動だにしないワニのような俺と一緒で楽しいと思える奏は強者だな」


「うん、そんな優が大好きだよ!」


「そんな俺を好きになれる奏が俺も好きだよ」


「えへへ、優の事なら誰にも負けないくらい好きだもん」

ねぇー?とワニに向かって言っている。どっちが俺か区別つかなくなってるんじゃないか?


その後でかい水槽に入れられた魚達を見た。奏は凄ーい、綺麗とか言っていたが俺はこいつらなんで食いあわないのか不思議と思っていた内緒だ。


「イルカのショーの時間になったから見に行こう!」

まぁ定番だな。んで水かかってきゃーとなるのもわかってた。


「楽しかったなぁ?」

予想通りで (笑)


「びしょびしょになっちゃった」


「お昼にするか?食べている間に少しは乾くだろ?」


「そうだね、時間的にもそろそろだし。それに私が優のために腕を振るって作ったから召し上がれ」

昼食を食べ少し服も乾いたので残りを見て回る。まぁそんな大きくない水族館だからすぐ終わったんだけど奏はしっかり楽しめたようだ。


「最後に記念写真撮ろう?係員の人が撮ってくれるらしいから」


「そうだな、そう言えば案外初めてだな一緒に撮るのなんて」


「うん、だから絶対欲しいなぁと思ってたんだぁ」


そして係員の人にスマホを渡して撮ってもらう。撮りますよー?と言うと奏が俺の肩に両手を乗せて爪先立ちで頬っぺにチューをした。

係員の人にラブラブですねぇと言われてしまった。恥ずかしいぜ。


「やったぁ成功!上手く撮れてる。待ち受けにしよう」

ほら!と見せてきた。


「なんか優を独占してるみたいで幸せだなぁ」


水族館のお土産売り場に行きイルカのストラップを買って帰った。大きいから学校のカバンに一緒につけようねと奏は嬉しそうに言ってくれた。

奏の暖かい雰囲気の中にいると俺も幸せな気分に俺もなれるから不思議だ。

これからも俺の側にいてほしいと思った1日だった。


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