その44
「はぁーッ」
盛大な溜め息を吐いた。奏の席を見ると奏も今朝の悶着で疲れたような顔をしている。
「どうしたの?」
神城さんは気になったのか聞いてきた。
「いや、なんかわけわかんない子に付きまとわれててさ」
「足立君モテモテじゃない」
「いやぁ、なんかそぉゆう感じでもなさそうだし、奏に食ってかかってるというか何というか俺はついでみたいな感じ?」
「白石さんに嫌がらせするのに足立君をダシに使ってるってわけね」
冷静な分析、本当にありがとうございました。
まぁ割り切れるほど単純じゃないんだよなぁ。奏は意気消沈してるし、クラスにくるまでずっと落ち込んでるし今尚だ。
それに俺だってそんな奏を見ているのが辛い。
この前まで幸せそうに笑っていた時とまったく逆だ。
今井さんが奏に事情を聞いて慰めてるけどあんまり効果なさそうだ。
「奏、朝のホームルームまでまだ時間あるだろ?屋上の階段のとこまで行かない?」
「うん」
やっぱ元気ないな。
2人で屋上の出口の近くの階段まで行く。よかった、人居なそうだ。
「奏、大丈夫か?」
「優と岬ちゃんが腕組んでて凄くショックだった、でもわかってるの。岬ちゃんが無理矢理だったから。でも優が他の子とくっついてるの見たらなんか凄く悲しくて‥‥」
「ねぇ優、岬ちゃんに迫られたって岬ちゃんを好きになったりしないよね?」
「当たり前だろ?」
「うん、ごめんなさい。聞かなくても優はそう思ってくれてるって信じてるよ?だけど目の前で見せ付けられるとどうしても聞かないと私不安で不安で」
「優、キスして抱きしめて」
そうしてしばらく奏は落ち着いたのか俺たちは教室に戻った。




