その41
8月も中盤にそろそろ夏休みだ、期末テスト?俺は無難にこなして無難な結果で終わった。まぁ実は奏でと一緒に勉強はしてたんだが。だから夏休み学校にくることはないし開放的な気分で過ごせる。奏も同じく。
「優と一緒なら補習でもよかったんだけどなぁ」
「夏休みに学校とかありえんわ」
とかなんとか言いながら奏と一緒に校門を出ようとすると校門の横から人影が飛び出してきた。
「お疲れ様でーすッ!優先輩!」
そこには1人の女の子が立っていた。見た感じとても可愛らしいショートボブな髪型をした女の子だ、先輩と言うからには1年生なのだろう、制服同じだし。俺たちはキョトンとした。
「優、この子のこと知ってるの?」
「ヒッドーイッ!優先輩私のこと忘れちゃったんですかぁ!?」
語気を強めにして彼女は言う。
「いや、まったく知らないけど?」
なんか奏がソワソワしてる‥‥
「またまたぁ〜、優先輩はとぼけちゃって!」
「優ぅ〜!!」奏がグイグイと俺の肩を揺さぶる。
「あははははッ!面白〜いッ!」
「てか誰だ?会ったこともないけど」
「あ〜あ、つい面白くなっちゃってからかいすぎちゃいました」
「あたしは椎名 岬です、優先輩と奏先輩の後輩になります、岬って呼んでください、あ〜、奏先輩。優先輩とは今日が初対面なのでご安心を!それもこれも奏先輩が優先輩を独占してるからです!」
「え?だって優は私の彼氏だし‥‥」
そう言うと岬は奏にグイッと近づいた。奏は急に近付かれたのでビクッとする。岬は奏より少し小さいから見上げがちだ。
「へぇ〜、見れば見るほど本当に可愛いですねぇ」とても冷たい口調で奏に言う。
「えーと、椎名だっけ?」
「み・さ・きッ!!そう呼ばないと勝手に引っ掻き回しちゃいますよぉ〜?」
「じゃあ岬、なんか俺たちに用でもあったのか?」
「いーえ、特に!強いて言えば可愛いと噂の奏先輩を直接この目で見に来ただけです!じゃあ今日はこの辺で!バイバイ〜ッ!」
嵐のように場をかき乱し岬は帰っていった。
「なんだったの?優」
「俺に聞かれてもなぁ、奏はこの学校じゃ神城さんと同じで有名人だから気になったんじゃないか?」
「勝手に有名人にされても困るよ、私てっきり優目当てかと思って落ち着かなかったよ‥‥」
「そりゃあないだろ?」
俺たち2人は岬にすっかり翻弄されてしまった。




