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その4

「えー、今学期の担任になる木村 幸雄だ、よろしく頼む」

と小太りな担任木村先生は気だるそうに挨拶を済ました。


やる気なさそうな担任だなぁと優は思いつつも不意に視線を感じ、その気配に目を向けると奏だった。奏と目が合うとニコッと奏は微笑んだ。

内心なんだ、奏かと思い視線を窓に移した。名字から始まる出席番号順で大体優は足立なので最初は廊下側だ。

新学期が始まりやや憂鬱気味な優は席替えで窓際になってボーッと外を見ていたいなどと思いながら気だるそうな担任の話を右から左えと聞き流していた。




休み時間となり優は机で大きな欠伸をかくと隣に座っていた女の子に見つめられていた。



「よっぽど先生のお話退屈だったのね」

奏とはまた違う感じの可愛いというか綺麗な女の子がクスクスと笑っていた。


「えーと」



「神城 絵里よ、よろしくね!と言ってもこの学校すぐに席替えになっちゃうから今だけ隣だけどね」



「そうだな、俺は足立 優、こちらこそよろしく」



「知ってるよ、足立君のことは。1年の時同じ広報委員会だったじゃない、足立君はあんまり活動的じゃなかったから私のこと覚えてないかもしれないけど」



「あれ?そうだったっけ?」

あまり委員会の事は覚えてないな、そっち系の活動はどうにも消極的だったからなぁ、早く帰ろうとしか思ってなかったから当然か。



「まぁうちらの広報委員ってあんまり忙しくなかったからね」



「それはつまり居ても居なくてもどっちでもいいという事では」


「うふふ、そうとも言えるかも」



などと他愛もないことを話しているとヒロキが近づいて来た。



「神城さん!俺、優の友達の中野 ヒロキです!よろしくお願いします」

なんだこいつ?と優は若干頬が赤くなっているヒロキに目をやると、あー、そういうことかとすぐに理解した。


神城さんに惚れたなヒロキ。でも神城さん結構難易度高いと思うぞと心の中で呟いた、ヒロキが告白して振られたら笑ってやろうと思う自分は最低だな。



「よ、よろしくね、中野君。敬語とかいらないよ?」

と戸惑いつつ神城さんはあははと笑う。


「は、はい!よろしくお願いします!」



神城さん、少し呆れてるよ、前途多難だなと優は2人の間から遠い窓を見つめた。



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