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その33

朝のホームルームが過ぎ、1限目の授業が始まった。あれ?なんか隣の新垣さんがソワソワしている。

なんだろう?と思い注意深く見ていると筆箱を忘れたらしい。借りればいいのにと思ったがそんな彼女の様子を見てるとああ、そう言うこと出来ない子なんだなとすぐ分かった。俺ももし外面の方に意識が行ってなかったら彼女と同じ感じになっていたかもしれないと親近感が少し湧いた。


無視する事も出来たが隣でソワソワされていてもなんだか気が散るし、何より可哀想だから借しておこう。


あ、消しゴムは2つないや。まぁシャーペンの消しゴムで俺はいいか。

そして新垣さんの机をチョンチョンと叩く。新垣さんはビクッとしてこちらを見た。そんなに驚くなよ‥こっちもビックリするわ。


「新垣さん、筆箱忘れたんだろ?俺シャーペンと色ペン何本か持ってるから借すよ?」

新垣さんはさらに驚いて「いいの?」と言った。


「今日か明日でも返してくれればいいからさ」

そう言って新垣さんの机の上に各ペンを渡した。


「ありがとう」

新垣さんは照れたように言った後すぐ視線を逸らしてしまった。


なんか俺少し変わったかもなぁと思う。ここ最近で特にそうだ。少し前なら自業自得だなと思ってたが今はそうは思わない。少しいい事したみたいで気持ちよかった。まぁ結局自己満足なんだけど。


休み時間になり後ろの席の康太が話しかけてきた。


「新垣さん、忘れ物してたのか?このクラスになって新垣さん喋ってるところ俺初めて見たわ」


「ああ、俺も声初めて聞いた」


「後ろから見てたけど新垣さんめっちゃ照れてたな、白石さんと付き合ってるのにお前モテて羨ましいぞ」


「いや、別に奏がいるだけでモテた試しがないぞ?」


「そりゃあ白石さんみたいな子に迫られてたら大抵の女子は諦めるって、神城さん並みじゃないとな、お!噂をすれば奏さんが来たぞ」


「優!次音楽室だよね?一緒に行こう?」


「奏〜!親友の私をぼっちにさせるなんていい度胸じゃないか、足立君に奏がとられちゃった私の身にもなりなさい」

今井さん、俺にも睨みをきかすのはやめろ。奏に言ってくれ。






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