その3
白石 奏は気分が良かった、また優と同じクラスになれて機嫌がいいのだ。
1年の時、優の隣の席になったことから奏は優に興味津々だ。
席が離れてた時から優は他の男子と女子とも明るく楽しく接していたから知っていたけど実際近くで話してみると何か引っかかったのだ。
なんだか話してみると彼は演技くさいのだ。上辺だけと言ったらいいのかなんというか無理して明るく振る舞っている感じがする。気のせいだったら私の恥ずかしい勘違いだけど。
だから構っちゃおう、なんか楽しそうだし知らない面を引きずり出しちゃおう。
思ってみると結構私ウザいかもだけど気になるものは気になるし、友達になったら素を出すのかなと思ったけどなかなか手強い。
いつの間にか私の中は足立 優という存在がいっぱいになっていた。
優はそんなこと思ってもないよね?優の中では私ってかなりウザいし踏み込まれて迷惑と思ってそうだけど‥
って、なんだか考えてきたら泣きそうになるからもうやめた!
とりあえず同じクラスになれたからいっかぁ! と悶々としていると後ろからトントンと肩を叩かれた。
「今井 佳菜」小学生からの仲良しで親友。
「奏また足立君のところに行ってたでしょー、私をほっぽり出して行くなんて妬けるくらい仲良いわねぇ」
「ごめん、佳菜、でも佳菜と今年は同じクラスで私嬉しいよ、去年は違うクラスで寂しかったんだから!」
「そんなこと言ってちゃっかり去年足立君とだいぶ仲良くなっておいて、一部では付き合ってるんじゃないかって噂されてるよ、奏あんまり自分が人気あるとか自覚してないもんねぇ」
「ないない、もし私が優と付き合いたいと思ってたって優は私とは付き合ったりしないと思うし今も仲良いって言われてても優がどう思ってるのかわかんないし」
「はぁー、奏?なんでそんなネガティヴ思考なわけ?てかそれって足立君って最低な奴みたいじゃん?裏では何思ってる奴かわかんない奴みたいな言い方」
「佳菜、それは極論すぎ、私が仲良くしたいって思ってるからいいじゃん♪」
鋭いなと思ってしまった、でも優には悪い印象を持たせたくないし。
などと思っているうちに新しい担任が来た。