その29
昼食を済まし奏が食器を洗っていると母さんがやってきた。
「奏ちゃん、私も手伝うわ」
「いえ、もう終わるのでリビングで休んでてください。あっ、コーヒーでも飲みます?」
「じゃあそうしちゃおうかしら♪頂くわ、奏ちゃん」
そう言うとリビングでテレビを見ていた俺の前に母さんがやって来た。
「奏ちゃん、えらく大人っぽくなったわねぇ、前遊びに来た時はそれなりの年の子だったけど」
母さんがニタニタして言う。
「もしかして優ちゃん奏ちゃんとお付き合いしてる?」
核心をそっこーでついてきた。
まぁそのうちわかる事だしいいか。
「ああ、付き合ってるよ」
「やっぱりね、奏ちゃん恋する乙女の顔してるもの。あんなに可愛い子引っ掛けるなんて優ちゃんもなかなかやるじゃない、でも母さんは前遊びに来てた時から奏ちゃんが優ちゃんを好きなのはわかってたけどねぇ」
「いいからあんまり俺たちを弄るなよ」
奏は洗い物が終わり俺と母さんにコーヒーを淹れてきた。
「奏ちゃん!こっちに座って、優ちゃんと付き合ってるんだって?こんな捻くれ者と付き合うなんて大変でしょー?外面だけはいいんだから全く誰に似たのかしら」
おい、弄るなといったばかりからそれか‥
「はい、優とお付き合いすることになりました。優はとっても優しくしてくれてます」奏は顔を真っ赤にしてうちの母さんに受け答えている。
「もしかして私早く帰ってきちゃってお邪魔だった?もっと2人でイチャイチャしたかったんじゃない?」
「おーい、母さん俺の話聞いてたか?」
「奏ちゃんが久しぶりに遊びにきてたから母さんも早く帰ってきちゃったのよ。母さんも奏ちゃんに久しぶりに会いたかったから」
「優のママさん、お気遣いなく。私もご挨拶したかったので」
「奏ちゃんは本当にいい子になったわねぇ、優ちゃん、理想の奥さんじゃない〜」
「えと、そんな、、なれたらいいなぁって私も思います」
ダメだ‥もううちの母さんのペースだ‥‥
「後で奏ちゃんのご両親にもしっかりお礼しなくちゃね!奏ちゃんみたいな可愛い子を優ちゃんのお世話に使っちゃったんだから」
「いえ、私が勝手に行きたいって無理矢理来たようなものですから」
「優ちゃん本当に隅に置けないわねぇ、奏ちゃん優ちゃんをよろしくね!私はご近所に行ってくるからあとは2人でお楽しみを」
母さんが家から出て行き俺はどっと疲れてしまった。奏を見ると優の奥さん、お嫁さんとゆでダコみたいな顔をして呟いていた。




