その28
部屋に朝日が差してきた、多分だいぶ前から。目を覚ますとすぐ近くに奏の顔が目の前にあった。
よく寝てるなぁと思ったが夜中にあんな事があったから眠れなかったのだ。俺が起き上がると奏も気付いて目を覚ましたようだ。
「ふぁ〜、あれ?なんで優が私より早く目が覚めてるの?」
「あ、あれ?今何時!?」
なんだか焦っている。時計を見ると13時を過ぎていた。
「うそ〜!?そんなぁ‥‥寝坊しちゃったぁ、今日でお泊まり最後なのに‥」
「なかなか寝付けなかったもんな、しゃあないよ」
「しゃあないって‥私優ともっと朝からゆっくりしたかったのにぃ〜!」
まぁこの時間に起きる方が休みっぽくていいだろ?なんて今は言えそうにないな。
「もぉ〜、じゃあ少し遅いけどお昼作っちゃうね!」
すると奏はパジャマを脱ぎ始めた。
「奏、ここで着替えるのか!?」
「へ?そうだよ?」
奏が何かおかしい?という表情でこちらを見る。
「あ‥そう言われると少し恥ずかしくなっちゃうじゃない、優は私と付き合ってるんだからいいの!」
とは言ったものの俺が見てらんないので目を逸らした。
「優も着替えて下においで、私お昼作ってるから〜!」
奏はドタドタと階段を降りていった。
奏一気に大胆になったなぁ‥
奏が昼食を作り終え、俺たちが遅めの昼食を食べようとしていた時玄関がガチャリと開く音が聞こえた。
俺が玄関に向かうと夕方着くはずの母さんが帰ってきた。
「優ちゃん、ただいま。予定より早く着いちゃった」
「お〜、おかえり、俺今昼ご飯食べるとこだから」
「あら〜、奏ちゃんいるのねぇ?」
母さんがニヤニヤして言う。茶化すんじゃねぇぞ?
「こんにちは、優のママさん。お久しぶりです。勝手におじゃましてすいません、今キッチンお借りさせていただきました。」
俺と母さんの会話が聞こえたのか奏はリビングから玄関に出てきた。
「いいのよ奏ちゃん、そんなにかしこまらなくて。優ちゃんのお世話してたんでしょう?優から聞いたわ。久しぶりねぇ、相変わらず可愛いわねぇ」
「ささっ、遠慮はいらないから。お昼ご飯今食べてるんでしょ?私は片付けるものあるから食べちゃってなさい」
「はい、お言葉に甘えて。食べよう優」
母さんはそんな俺たちを微笑ましそうに見ていた。こりゃあ根掘り葉掘り聞かれるな。




