その20
映画館に着くとさっきの連中が後ろからこちらを追ってきた。あー、もうこりゃ台無しになるかもしんないな。
「ねぇ、そこの子俺らと一緒に行かない?」
早速話しかけてきた。でかい‥俺は170ちょっとしかないが向こうは190くらいある。無駄にでかい、他の2人は俺と同じくらいだが俺なんかより全然ガタイがいい。
「え?あ、あの」
奏はいかにもガラの悪い連中達に怯えている。すると1番でかい男が奏の腕を掴み強引に引っ張ろうとした。
「い、痛い!離してください」
もうどうにでもなれと思った俺はそいつの奏を掴んでいる方の腕を掴んだ。
「やめろよ、痛がってんだろ?嫌がってんのに無理やりとか恥ずかしくないのか?」
「はぁ?このクソガキ」
すると他の男2人が俺たちを隠すように壁に追い込み俺たちの前に並び他の客から見え辛くしてきた。
途端に俺は腹に膝蹴りを食らった。
強烈な痛みで体がくの字曲がる。そして髪の毛を掴まれてまた同じ箇所に膝蹴りを食らう。
「カッコつけんのはいいけどよ、お前弱すぎ。こんなんじゃ彼女もがっかりだろ?、オラ、もう1発!」
さらに膝蹴りを入れようとしたとき奏が男の腕を掴んで叫んだ。
「もうやめてください!優大丈夫!?」
大粒の涙を流しながら悲痛で顔を歪ませた奏が必死に男の腕を引っ張って俺から引き離そうとしてた。
奏の声が思ったよりも大きく周りの客達もなんだなんだと気付き俺たちを注目してきた。
「おい、これ以上はやめとこうぜ」
他の2人の男がそう言い俺に蹴りを入れてた男を引き離す。
「チッ、しゃあねぇな」
そう言うと3人組は急いで俺たちから離れていった。
「優ッ!!痛いでしょ!?わ、私、ごめんなさい」
奏が取り乱して大泣きしてる。あー、なんとかなった。てか俺奏が無事で少しホッとしてる?うん、してるんだな。




