その17
あれから奏は本当に毎日やって来た。普通だったら静かに過ごしたい俺からしてみたら以ての外なのだが特段悪い気がしないのは何でだろう?
あぁ、そうか。奏が俺を受け入れようとしてくれていて俺の素が引き出されているからかもしれない。
俺も奏にあまり遠慮しなくなった。結構思ったことをズバズバ言っていた。だけど奏は否定する事もなく笑顔で受け入れてくれている。気兼ねしないんだ。
「ねぇ、優、明日は土曜日だね。学校もないしこのまま泊まっていっちゃおうかな?」
「バカ、流石にそれはマズイだろ?奏の親もいくらなんでも心配するぞ?」
「優なら大丈夫だとうちのパパとママも思ってるから大丈夫だよ、それに優とだったら‥」
「付き合ってもないのにそんな事しねぇよ」
「優はまだ私の事信用できない?」
「いや、そう言うわけじゃなくて‥」
「優、少しは私の事好きになってくれた?他の女の子よりも私の事気になる?」
「あー、奏くらい俺に付きまとう女の子なんていないよ、俺なんかのどこがいいのかわかんないくらいだ、その辺は気になるよ」
「優ってさ、優が思ってるより私からしてみれば魅力的だよ?いつも明るく振舞おうとして頑張っててその反動でついつい心の中では毒づいてるとことかなんだか可愛い」
「なんかバカにされてるみたいだ」
「そんな事ないよ、だから私の前では無理して明るくしないでちゃんと自分の気持ちをぶつけて欲しいなって思っちゃう」
「奏って本当に俺のことよく見てんだなぁ」
「当たり前じゃん!だって優だもん」
一点の曇りもなく笑顔でそういう奏に段々と俺も奏の前ではいいのかなと思ってきた。2年になったばかりの時はどうやって奏を突き放そうかと考えてた自分が嘘みたいだ。




