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その16
夜の10時を過ぎたところで奏はそろそろ帰ると言ったので玄関まで送った。
あー、でもなぁ。ここまでしてもらってただ帰らせるのも悪いしなぁと思ったのでしょうがないから送っていくことにした。
そう言うと奏はキョトンとして凄く嬉しそうな顔をした。
「でもいいよ、優に行ったり来たりさせるの悪いし」
「いいんだよ、奏でも行ったり来たりしてただろ、おあいこだ」
そういった途端奏が俺の目の前に来て俺の胸に顔を埋めた。びっくりした。
「奏?」
「優しい、嬉しい。優といるだけでドキドキするのに優しくされるともっとヤバい」
奏が顔を上げた瞬間不意打ちに近い形で頬にキスされた。
「えへへ、優のほっぺにチューしちゃった、今日の私へのご褒美」
いきなりでびっくりしててボーッとしてた俺もなんだか恥ずかしくなってきた。
「お前なぁ、いきなりそんな恥ずかしい事するのやめろって」
「フフフッ、優ったら焦ってて可愛いー、行こっ」
奏は俺の手を握って歩き出した、もともと奏と俺の家は近いのであっという間に着いた。
「まぁ、今日はなんだかんだでありがとな」
「どういたしまして!明日からもしばらくおじゃまするからよろしくね」
「優、今日は凄く楽しかったよ、私凄く幸せだった。おやすみなさい」
顔を真っ赤にして照れながら奏は家に入っていった。




