その15
奏は小さくおじゃましまーすと会釈をすると靴を脱ぎキッチンに向かっていった。
トコトコと買い物袋を置き支度を始めた。
「優の家って久しぶりー、優のパパとママにも久しぶりに会いたかったけど私が優にお料理作ってあげられるからいっか♪」
「奏ってほんと最近行動力すごいよなぁ」呆れながら俺は言った。この準備するために一目散に帰って行ったんだな。
「これも優に振り向いてくれるためだもん」
ここまでされるとむしろ清々しくなってきた。
「じゃあ頼むわ、俺もなんかすることある?手伝うよ」
「いーよ、優はテレビでも見てて待ってて!」
そう言って奏はエプロンを着けて料理を始めた。言われた通り俺はテレビを見ながらたまに料理を作る奏を見た。
いつも見ている奏と違いすごく家庭的に感じで新鮮だなぁとつい思った。
食欲がそそる香りが充満してきてしばらく経った後
「できたよー!お待たせ、デミグラスソース仕立てのオムライスです」
「へぇ、奏ってやっぱり料理上手だなぁ」
「えへ〜、見直した?」
「んー、まぁちょっと」
「冷めないうちに食べよう」
「やっぱり美味しい、うちの母さんより料理上手いな」そう言うと奏はとても喜んでいた。
「今日から日曜まで毎日私が優にお料理作ってあげるね!」
「おいおい、いいよ。それに奏の親だって心配するだろ?」
「大丈夫!ママとパパにはしっかり言ったから、むしろちゃんとお世話しなさいね!って言われたもん」
なんてこった、少しは心配しろよ、奏の親。一応高校生の男子だぞ、俺は。娘が押し倒されないか心配しろ。
夕飯を食べ終わり片付けが終わり奏はこんど風呂の準備を始めていた。
「優、洗濯物とかある?洗っちゃうからあったら出してー」
もう全部やる気だなこいつ。諦めて俺は部屋に行きTシャツやら脱いで部屋着に着替えた。
「ほら」と奏にポンと服をパスしたら勢い余って奏の頭にバフっとかかった。
「あっ、悪りぃ。ん?」
「えへへ、優の匂いだ。いい匂い」
恥ずかしくなって頭からTシャツを取った。
「あー、優の匂い嗅いでたのにぃ〜」
「そんな事しないでいいから俺が洗おうか?」
「いい!私が洗うんだもん!」
そう言って奏は洗濯機に向かっていった。




