その1
初投稿になりますがご容赦ください。
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よく晴れた春の日差だ。今日も学校に行くのが辛い。できればこのまま家にいて何もしないで引きこもり生活をしたい。
新学期になったからといってもまた彼にとっては退屈でつまらない学校生活が始まる。
公立高等学校、葵高校は都会でも田舎でもない、ごく普通の地元の高校だ。
1年も投稿していれば通い慣れた道、家からは割と近い。面倒くさがりな彼からしてみれば迷いのないベストな選択。
俺は「足立 優」 優しいと書いてユウと読む。別に優しくはないけどな。
俺は極度の人見知りだ。だが普通の人見知りとは別のベクトルの要領がいい人見知りだ。
幼い頃は普通に他人に引っ込み思案で接していたがそれでは周囲に溶け込めずに孤立する。
ならば俺がとった方法は‥
そう、とても人懐っこく明るく接するという方法。これならぼっちにならず尚且つ他人からいい印象を与えてもらえる。まぁ心の中では人を見下してたりする性悪な俺だけど‥‥
「おーい!優!」
校門の近くまで来たところで、後ろから聞こえた声に朝から元気だなぁと思い、少し小走りで息を荒くして目の前にいる女の子に振り返る。
「おはよう!奏。」
優は満面の笑みで挨拶した。
「うん!」
優の満面の笑みに満足した「白石 奏」は俗に言う美少女だ、1年の時に同じクラスで隣の席になってからというもののやけに仲良くなった。
「なんか嬉しそうだね?奏」
「久しぶりに優の顔見れたからに決まってんじゃん!」
バシッと背中を叩かれる。
はぁ、実はこのやり取り結構疲れる。
仲良くなったのはいいけどあんまり踏み込まれるのは好きじゃないし、ソツなくでいいんだよ。
美少女と仲良くなれたのは悪くはないけどなと心の中で呟く。でもそんなのもこの学校生活だけさ。
「優?どうしたの?考え事?」
ハッと気がつくと奏がこちらを覗き込んでる、てか顔近いよ。
「奏の顔見たら忘れた。」
「もぉー!何よ、それぇ!あ、そういえば今日から新しいクラスだね、また一緒のクラスになれればいいね!」
あー、そういえばそうだなぁ、クラス替えがあったんだわ。また始めからやり直しは面倒くさいなぁ。
なんとも本性は自己中の優の新学期が始まる。