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ここまでお付き合いありがとうございます。

如月王子、ぐいぐい来ます。

この人あんまり王子っぽくならないです。

ファーストフードの店内に俺とりこと如月。

四人掛けのテーブルに俺の隣にりこ、机を挟んで俺の前に如月。

おかしい。

りこ、お前は如月の前か横に座れよ


りこのトレーにはチョコパイとシェイク。

ポテトはまた今度らしい。

如月の前でたくさん食べられないんだとさ。

今度ってなんだ、結局食べるのかよ。


如月をチラチラ見てはもじもじするりこ。

同じく如月をちらちらみる他の客に微笑んでみせる如月。

早くも帰りたい俺。

なんだこれ。もう帰っていいのか。帰っていいよな?


その時、スマホが震えた。

母親が帰りに何か買ってこいという命令かとラインアプリを開くと、りこだった。


『趣味が何かきいて』


「自分できけよ」


「いたっ」


思わず隣のりこの頭をはたく。

ぺちっとデコが鳴った。あほか。


「僕にききたいことがあるのかな?」


やり取りをみた如月がりこに声をかけると、りこは分かりやすく赤くなる。


「ご、ごしゅみは何でございますですか?」


「趣味かー何だろう。田之上くんは?」


は?俺?


「特にない」


りこはシェイクをストローでぐるぐるもてあそぶ。


「じゃぁでございますね、おお父様は何をしていらっしゃいますか?」


「父?サラリーマンだよ。田之上くんは?」


は?俺?


「俺んち母子家庭」


りこは顔をあげてはっとした顔をしてから、またシェイクをぐるぐる。


「あの、得意な教科はございますでじょうか?」


「うーん何かな。英語はわりと好きだよ。田之上くんは?」


思わずりこの頭を片手でつかむ。


「おまえ、見合いじゃねーんだからもっと話題ないのかよ。あと話し方がうっとーしいわ!」


りこは頭を捕まれたままじたばたする。

 

「あとお前もいちいち俺にふるなよ、面倒くせぇ。こいつテンパってんだから、答え方あるだろ。あほか」


如月を睨み付けると、何故か如月の顔がほんのり赤くなり照れたようにもじもじする。

うげ。

睨まれて赤くなるなよ。気持ち悪。

おもわずりこの頭を離すと、りこは如月の顔をみて小首をかしげた。


ドン引きの俺と不思議がるりこを前に、如月は照れ臭そうにいった。


「僕、田之上くんのそういう率直なところをみて、友達になりたいなって…」


そういって如月は上目使いに俺をみた。

ぞっと鳥肌がたった。

急いで立ち上がって逃げようとすると、腰にりこがしがみつく。


「帰っちゃだめ!一人にしないで!」


あほか。如月と二人だ。


「ちがう、ちがうよ!勘違いしてると思う。お願いだから話をきいて」


「りゅうちゃん!きいてあげて。帰らないで!」


如月は発言のおかしさに気づいたのかあたふたしている。

りこは置いていかれるのが嫌なだけだろう。

顔を赤くしてしがみつく。


またため息がでる。

りこをはがして、荒っぽく椅子に座り直すとわざとりこのシェイクを一口のむ。

りこがあっ!と悲鳴をあげるが、しらん。

うわっぬるくなってるし。


それから、話せよと如月を睨むと如月はへらっと困ったように笑った。

今までと違いりこに似たあほっぽい笑い方になった

ここまでお付き合いありがとうございます。

次回、如月王子の真相です。

楽しんで頂けると幸いです。

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