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ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
一緒に田之上をニヤニヤ見守ってください。
「りゅうちゃんたすけてー」
「りゅうちゃんいうな」
放課後、今日は母親の仕事が休みで弟妹を幼稚園に迎えにいかなくていい。
いつもHRが終わるとバタバタと帰るが、今日はゆっくり帰れる。
この前出た漫画の新刊でも買って帰るか。
ついでにCMでやっていたポッキーの新製品をチビたちに買って帰るか。
そんなことを考えていたところに、りこが声をかけてきた。
「田之上隆馬さま助けてくださいまし」
ぺこりと不格好に頭だけ下げてみせる。
弟がよくやる形だけのお辞儀だ。
なんかイラつく
下げられた頭を強めに掴んでわしゃわしゃと髪を乱してやる。
「なんだよ」
「はなして~」
「いいから言えよ」
「髪の毛ぐしゃぐしゃになる~」
りこが脱出してぶーたれた顔で頭をふる。
その姿が可笑しくて笑うと、帰らずに残っていたやつらがまだニヤニヤしている。
「ぶぷ、じゃれてる~」
「仲良し兄妹」
「お兄ちゃんじゃれてる」
うるせぇよ、誰が兄妹だ。
しかし女子は言い返すと倍にしてびーちく言うので言わない。
集団は特に攻撃力が高い。実証済だ。
「ちがうって」
りこが珍しく怒ってぷんすかしてる。
そうだ、お前が言ってやれ。
あともう帰りたい。解放してくれ。
「私の方が誕生日はやいもん!だから私がお姉さんだよ!」
おい、ちがうだろ。
周りはちいさいおしゃまな女の子をみるようにうんうん頷いて「そっかー」「お姉さんかー」と言ってる。
あれは楽しんでるな。
「りゅうちゃんいこ!」
りこは俺の腕をつかむとぐいっと引っ張る。
仕方がなく、掴まれたままついていく。
りこはぷんすかしながらも、律儀にクラスメイトにバイバイと手をふっていく。
親がちゃんとしているのだろう。いい親だ。
りゅうちゃんじゃねえっての。
心の中で文句を垂れながらも振りほどけるはずの手を、振りほどかずに引きずられていく。
予約投稿するつもりが普通に投稿してしまいました。
4話は5/4 19時にアップします。
お時間あれば覗いてください。