1/5
冬の日
「ねえねえ、おじちゃーん!ちいちゃんが作った雪だるま、見てー!」
ある冬の日、わたしは友人の家に遊びに行った。
友人には、この秋に五才になったばかりの、小さな娘がいた。
その子の名は、ちいちゃんといった。
「ちょっと待ってね。すぐ行くよ」
わたしが答えると、ちいちゃんはうれしそうに、向こうへ走っていった。
「ちいちゃんももう五歳か。かわいい盛りだな」
わたしがしみじみとつぶやくと、友人は不思議そうな顔をした。
「どうしてそんなこと言うんだ。たしか君にも、娘がいたじゃないか。ちいちゃんより二歳年上の」
・・・・・・・・・・・・・・
「もう、いないんだ」
わたしは答えた。
「いない?そりゃなんで?・・・」
「知りたいか?」
「ああ」
友人はうなずいた。
わたしは静かに、語りだした。




