私を振ったあの人
『私が振ったあなた。
今になってこんな手紙を送ることを申し訳なく思うわ。
でも、気持ちを書かなきゃやってられないの。
私は貴方と別れた後、お貴族様と付き合ったわ。
流石はお貴族様ね。たくさんのごちそうに、沢山のおしゃれ。私はお金をどぶ水のように使えたわ。彼も、リアス様も良い方だわ。私の自由にさせてくれて、そして気も使えるいいお方。しかも、私達の話もよく合うのよ。
でも、満たされないの。なんでかしらね、満足なはずなのに。
私は、貴方の顔が脳裏に浮かんでしまうの。
リアス様ともそのおかげでまだ熱い夜を過ごせていないの。
貴方は何をしているの? 是非教えてくれないかしら』
『僕はあれから元気でやっているよ。
あれから貧しい生活を続け、家計を切り詰めながら生活している。僕はあの日君が僕を振ったのは間違いじゃないと思う。だって僕じゃ君を幸せにさせられない』
『謝るわ。あの時は短慮だった。でも、私にはあなたが必要だったのよ。貴方だけ私を幸せにさせられるのよ』
『君はあの日言ったんだ。こんな生活はもう耐えられないって。もっといい人と結婚するって。
それでいい人と付き合えたんだからいいじゃないか。
所詮僕はお金を稼げない。それが現実なんだ。
もう僕にとって君は去った側の人間だ。
今更よりを戻せるわけがない。
終わったんだ。僕たちの関係は、あの日に』
『私は気づいたの。お金よりも人だって。
リアス様はお金を持ってる。私への愛も持ってるの。
でも、満足いかないのよ。私の人生に空いた穴を埋めてよ』
『駄目だよ。僕にはもう新しい妻がいるんだ。いつまでもあの日のままだと思わないでくれ。
僕の今の彼女は僕に寄り添ってくれる。あの時は僕は君を好いていた。でも今は違う。僕の愛はもう別の人に向いているんだ』
私はその手紙を受け取った時に、諦めの心がついた。
これ以上粘っても無駄、これは彼の最後通告だって。
私はあの日彼を捨てなければよかったわ。今後悔しても遅いの。だって、もう彼は帰ってこないのだから。
私は彼から来た手紙をすべて窯に入れた。
私は現状を受け入れるしかないのだから。




