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優しいメイド

 中は半焼けでなんとも言えない食感のハンバーグを食べ終えた二人はリビングで大きな芸能人が箱の中を所狭しとはしゃいでる様子を見ながら寛いでいた。焼き加減はともかく味付けの方はなかなかよかったなぁなんて思っていた慎也であったが、突然不安になって優佳にあることを尋ねた。

「べ、勉強はしなくてもいいんですか?」

 滝川氏との約束がつい今しがた慎也の頭を掠めたのだった。焦った様子の慎也とは別に、優佳はまぶしい笑顔で答えた。

「別にいいよ。慎ちゃんが構わないなら私はずっとここで一緒にTV見ててもいいよ」

 彼女は全く特別な感情などこめていなかったのだが、慎也にとっては刺激が強すぎた。慎也の顔はみるみるうちに真っ赤になり、茹でダコも驚くほどの完熟加減であった。またその一方で益々”自信”を深めていたのだった。

「い、いやいや。あ、貴方のお父さんと約束したんだ。べ、勉強の邪魔しないって」

 真っ赤な不良品は俯きながらボソボソと呟いた。優佳の綺麗な顔は少し複雑そうな表情を浮かべていたが、「そっか。お父さんに言われたのなら仕方ないね」と言うと自分の部屋―牧田夫人の部屋が割り当てられていた―へと戻るのであった。

「ちゃんと喋れるようになってきたね」

 去り際の一言は落ち着きかけていた慎也を再び茹であげた。今回は照れからであるが。優佳が部屋へと戻って、慎也の方は安心したようでどこか物足りなさを感じていた。彼のとんでもない妄想の中でならこんなにあっさり帰るとは思わなかったからである。


 その後も慎也のシナリオ通りには事は運ばず、結局いつもと変わらない昼を迎えたのだった。若しや家に残っていまいかという淡い期待を持って1階に下りてみるが優佳の影も匂いも全く感じられなかった。一人勝手に落ち込んでいた慎也であったが、リビングのテーブルの上にメモ書きが置かれていた。



   朝ごはんはご飯と味噌汁 (味噌汁はインスタントのものだけど…)

   お昼ごはんはご飯と豚の生姜焼き(もう味付けをして冷蔵庫に入れているからね)

   ちゃんと食べないとダメだよ



 可愛らしい文字で書かれたメモ書きであった。優佳が考えた献立なのだろう。これを見る限り、慎也が昼過ぎにならないと起きないことは把握していないようである。


 慎也はこれをしばらく見ていたが、ふとある想像が頭をよぎった。想像が膨らむにつれ非常に申し訳なく感じるのであった。おそらくこれは昨日も用意していたのであろう。しかし慎也は夜、優佳が帰ってくるまで1階には一歩も足を運ばなかった。そして昨日の様子を思い出す限り、昨日は実際に優佳が作って置いていたのではないか。そう考えれば慎也の部屋での会話も合点がいく。


 ああ、そう考えるとなんと健気な女性なのであろうか。彼女は帰ってきてテーブルの上の料理を見て愕然としたことだろう。せっかく作った料理に全く手がつけられていないのだから。それでも彼女はそんなことを全く感じさせない笑顔で慎也と話していたのである。彼女が慎也の臭い台詞の後に嬉しそうに頷いたのは慎也が用意した食事に気付かなかっただけだとわかったからなのではないか。慎也の想像はほぼ事実に沿っていたのだった。


 健気な彼女は今日もわざわざ食事を用意してくれている。これ以上彼女を困らせるわけにはいかない、と慎也はTVのみよう見真似でフライパンに味付けされた豚を乗せ、ジュージューと焦がすのであった。

すいません、どうも話が進みません。進め方下手だなぁ。

感想・アドバイス待ってます。

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