牧田慎也
大まかなあらすじは考えてるつもりですが、迷走するかもしれません。
そして収拾つかなくなって投げ出すかもしれません
牧田慎也は高校を卒業後、桜が散る中大学にもいかず、働こうともせず、ただ住み慣れた一軒家の自宅に閉じ籠っていた。
というのも、三ヶ月ほど前に彼の両親は幸運にも宝くじによって大金を引き寄せたのだが、つい先日不幸にも相次いで病死してしまい、最終的にこの男に莫大な金が転がり込んできたのであった。元来人付き合いの苦手な彼は、一層人に会おうともせずにひたすらに家に籠る生活を続けていたのであった。
ただ、立派な“一人暮らし”を初めてすぐに彼は自身の無能さに気付かされ、格別大きな家でもないくせにメイドを雇うことにした。無論そこに下品な欲望も潜んでいたのは言うまでもない。
妙に行動力だけはある彼は、早速父親の同僚で唯一慎也に親身になって話しかけてくれる―慎也にとっては有難迷惑であったが―滝川に電話をかけたのであった。そこの娘の優佳は慎也と同い年で、おとなしくて品行方正、成績優秀で今は有名なT大学に通っている。かなりの美人で、いつグラビアデビューするのか待たれるほどに素晴らしい体型を維持していた。
この二人は幼少のころはよく一緒に遊んだものだが、中学生になるころには徐々に顔を合わせる回数も減りゆき、今となっては全く連絡もとらずに顔をみせることもなくなった。慎也はその理由は嫌というほどわかっていた。それでも慎也は図々しくも家事雑用をしてくれまいかと(しかも住み込みで)依頼したのであった。
滝川氏は妻に劣らず愛情を注いできた娘が男と同じ屋根の下で住むことに一瞬不安を抱いたが、両親亡き慎也の現状を想像するのは容易く、手、いや娘を貸すことを快諾したのであった。家事を手伝うことは優佳にとっていい経験になるだろうという思いもあったし、億万長者の相当なおこぼれを授かることができるのも今しかないという卑しい思いがあったのかもしれない。
最後に、日中は大学があるためにさすがに無理ということと、勉強に集中させるために必要以上の仕事は押し付けないでほしい、という条件を与えたが、慎也があっさり飲んだことに滝川氏はすっかり安心しきって娘の準備ができ次第また連絡するという約束をつけて受話器をガチャッと戻したのであった。
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