昼休みに二人きり
小澤医師はふと奈津子に問いかけた。
「奈津子さん、今日は昼休みに時間がありますか?少し話がしたいのですが」
奈津子は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに微笑んで頷いた。
「はい、もちろんです。お昼にお会いしましょう」
昼休みになると、奈津子は小澤医師のオフィスへと向かった。オフィスのドアをノックすると、小澤医師がすぐに応じ、奈津子を歓迎するようにドアを開けた。部屋の中は落ち着いた雰囲気で、壁にはいくつかの医療関連の書籍が並び、デスクには整然とした書類が置かれていた。
小澤医師はデスクの前の椅子を指し示し、
「どうぞ、座ってください」
と促した。奈津子は礼を言って椅子に腰掛けた。
「奈津子さん、最近の仕事ぶりには本当に感心しています」
と小澤医師は話し始めた。
「あなたの患者さんへの接し方は素晴らしいですし、チームの皆もあなたのことを頼りにしています」
奈津子は少し照れながらも、
「ありがとうございます。でも、まだまだ学ぶことがたくさんあります」
と謙虚に答えた。
小澤医師は微笑み、
「その姿勢が大切です」
と続けた。
「実は、奈津子さんに新しいプロジェクトに参加してもらいたいと思っているのです。患者さんのフォローアップケアについての改善プロジェクトで、あなたの視点が非常に価値あるものになると考えています」
奈津子は驚きと同時に、興味を引かれた様子で小澤医師を見つめた。