38. キャラクター作成 II 2 (1)
あとは、特技、装備、常時効果の起動対象の決定。それと名前か。
「特技は、職業別に用意されているものから三つ、選択する。特に制限とかはないので、好きなものを選んでもらってかまわない」
ルールブックを眺めながら、渡したメモ用紙に候補を書き込んでいるのは、湖上か。異世界の神々が、俺が用意したシャーペンで紙に日本語書き込んでる風景は、なんとも不思議な感じだが。
「〈命の玉〉って、強いのかい?」
「あー、それか」
鉄砲使いの特技で、手持ちの弾薬が最後の一つになった時、適用されるやつだ。火力が大きく上がる。
「使いどころ次第だな。最後の一撃に賭ける、みたいなさ。そういう場面が自動的に出来上がるから、盛り上がりはする」
「あー、なるほどねー。物語を演出する効果も、含んでいるわけか」
「そういうことだ」
「取ろうかな」
「いいんじゃないか」
ソラタロウのキャラは、〈命の玉〉持ちか。
そうだ。言い忘れていたことがあった。
「所持金は、4000にしておいてくれ。全員、レベルが2なんで、そのぶんの所持金が加算されている状況にある」
多分、言い忘れてたよな。最初の説明の時。
「鵜川さん、私の場合はどうなるんでしょうか」
「ヤミコは、所持金にプラス2000で考えてくれ」
「プラス2000ですね。分かりました」
ツチヨの、どうしてですの、という問いかけに、ヤミコが、もう、2000円、使ってしまっているので、と答えているが。あいつ、金の単位を円で通すみたいだな。
「円ではなく、銭では」
メイコさんに突っ込まれてる。
「考えることが多いのだな、地球世界の遊びは」
「私は、こういうのは好きですけど、君はあまり、向いてないかもね」
普段のこいつらは、こんな感じなんだな。砂上と湖上。
「まぁ、TRPGは、わりと面倒な部類に入るかもしれないな」
砂上は、刀鍛冶だったよな。で、鬼か。
「鬼は、物理攻撃力ってのが若干、高くなる傾向にあるから、それを活かして前に出て金槌で殴るってパターンもあるな」
「刀鍛冶は、鍛冶の神様の力が借りられるんだね」
ソラタロウがフォローに入ってくれたか。
「ああ。火の力を金槌に乗せたりもできるから、実は戦闘に向いてもいる」
鬼は、切り札を切るまで、物理攻撃力に常時、+3される種族能力があるから、これをビルドの出発点にすると分かりやすい。能力名は、〈鬼の角〉。レベルが上がると、効果がより強く上書きされていくのも特徴だったりするが。
そういう、先の話は今はいいか。




