37. キャラクター作成 II (2)
「ヤミコちゃん、種族は何にしましたの?」
「猫又ちゃんですよー」
ヤミコは、いつもどおりみたいだな。あれから一週間か。
「職業はお侍さんですね。短い刀の二刀流で、ざくざく斬りまくります」
「物騒ですわ」
ま、楽しそうではある。
「鵜川どの」
「おう、なんだ?」
湖上か。カジュアルになりすぎない、カジュアルみたいな服装は、上司主催のバーベキューを俺個人は思い出す。
「この、ゲームの世界での魔法の使い手というのは、どの職業になるのでしょうか」
魔法か。
「陰陽師が一番、近いかな」
「陰陽師ですか」
木火土金水の五行の術と、折り紙ベースの召喚魔法みたいなやつと、あとは扇子を使ったデバフを巻きながらの接近戦ができたはず。五行の術に近いものは忍者にもあるが、魔法使いというイメージは、こっちだろうな。
「僕は、どうしようかなぁ。メイコくんは決まったのかい?」
「種族は妖狐さんにしようと思っているのですが、職業がまだ、決まっておりません」
少しだけ、提案するか。ヒーラーはいたほうがいい。
「戦闘の時のバランスを考えると、回復役がいたほうがいいかもな。回復役は、神職、仏僧、山伏だ」
山伏はどっちかというと魔法戦士っぽい立ち回りになるから、できることが増えすぎて扱いづらいところがなくはないが。まぁ、どうにかなるだろう。
ほら貝吹いてバフ撒いて、そのままそのほら貝で殴る、みたいなパターンだが。このTRPGをデザインしたやつらにとっては、ほら貝は武器らしい。巨大なほら貝っぽいものを鈍器として振り回しているイラストもある。
「鬼の刀鍛冶にしたいのだが、良いだろうか」
「お、いいね」
「そうか?」
砂上、嬉しそうだな。
「私は、土蜘蛛の陰陽師にしてみたいのですが」
「いいぞ」
湖上は陰陽師でいくんだな。
「鵜川さま」
「どうした?」
「妖狐さんの、神職になりたいのですが、よろしいでしょうか」
「よろしいもなにも、自分のしてみたいことを、してみてくれ」
「はい」
では、とメイコが言葉を続けた。
「巫女さんになります」
神職の特技、〈巫女〉を取ると、職業名が巫女に変わり、専用の装備が幾つか、使えるようになる。妖狐の巫女ね。なるほど。
「わかった」
あとは、ツチヨとソラタロウか。
「残るは僕とツチヨくんか」
「負けませんわ」
何にだよ。
「天狗がいいんだよね。種族は。でも、職業が決まらない」
「忍者はいただきますわ」
「らしいぞ」
「侍、巫女、忍者、陰陽師、刀鍛冶が予約済みなんだよね」
「まぁ、別に同じ職業にしても、特技の取り方が違えば全然、別ものにはなるからな」
「こんな機会、なかなかないし、どうせなら、違う職業にしてみたいじゃないか」
それは、まぁ。
「分からんではない」
「よし、鉄砲使いにしよう。僕は天狗の鉄砲使いになる」
残るは、ツチヨか。
「どうしましょう」
「何に悩んでるんだ?」
「種族ですわ。ヤミコちゃんとお揃いの猫又ちゃんにするか」
猫又の忍者か。
「いいじゃないか」
「でも一緒は嫌ですわ。ライバルですから」
「そうか。だったら、仕方がないな」
ライバルだから嫌だって言われたら、GMとしては何も言えん。
「ひらめきましたわ!」
「よかったな」
「私、河童になりますわ!」
河童の忍者か。
……また、えぐいところ突いたな。
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┃ヤミコ 猫又/侍
┃ツチヨ 河童/忍者
┃メイコ 妖狐/巫女(神職)
┃ソラタロウ 天狗/鉄砲使い
┃湖上 土蜘蛛/陰陽師
┃砂上 鬼/刀鍛冶
┃
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でもまぁ、どうにかなりそうか。




