表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/128

36. 頼み (1)

「その言い方は、世界中のTRPG勢に刺さるかもな。まぁ、そうかもしれん」


 思い出は、たくさんある。


「たくさんの物語を生きてきた鵜川くんに、頼みたいこと、というのは」


 そう話すソラタロウの目は、真剣だった。言葉を区切りながらのこの話し方は、ソラタロウなりの誠意の現れなのだろう。そんな気がする。


「ヤミコくんと計画しているTRPGの、セッションって言うんだっけ? それに、あの二人を加えて欲しい。そして、君なりに、戦争という事態が何をもたらすのか、あの二人に物語の中で経験させて欲しいんだ」


 待て待て。


「宮廷魔術師と、王宮の騎士だったんだろ? 戦場は幾つも渡り歩いてるだろ」

「でも、それはあくまでも、当事者の視点だけだ。当事者でありながら、外側から全体を俯瞰することもできるのが、TRPGなんじゃないのかい?」


 鋭いところ突くな。


「相手側の状況も見えた上で、それをキャラクターは知らないという前提に立って判断することは、よくあることではあるな」

「それを、あの二人に経験させてほしい」

「どうしたいんだよ、あの二人を」


 ソラタロウが笑った。気持ちのいい笑顔だった。


「彼らを助けたいのさ。上司としてね」


 助けたいって言われてもなぁ。


「俺に、そんな力はないぞ」

「二つの国の人たちの間で、言葉が通じるかどうかを、僕に聞いただろう?」

「ああ」

「一生の仲間になるような、本当は気が合うやつら同士で殺し合う可能性だってあるわけだ。君は、そう言った。そしてそれを、最悪だ、とも」


 まぁ。言ったな。


「君の本音だろ?」

「そうだな」

「僕も、そう思う。最悪だ」


 ソラタロウがそう言って頷いた。


「これは、外の世界から見た視点だ。少なくとも彼らが管理している国の指導者たちは、そんなふうに考えられない状況にある」


 テッペンがアレだと、どうしようもないってやつか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ