28. 次の機会 (2)
「あ。タバスコねぇや」
この間、使い切ったんだった。仕方がない。
「マヨだけでいいか」
で、どういうシナリオにするかだよな。
「どういうキャラで来るか、把握した上でシナリオは組みたいところだが」
プレイヤーそれぞれのキャラクターに合わせた専用シナリオの方がGMをする側としても楽しい。細かいところは連絡入れて聞いてから詰めるか。
「まずは月夜だな」
月夜視点だとチュートリアル用のシナリオの話の続き、ということになるが、新規に参加するプレイヤーを置いていくのは良くない。
「……駄目だ。思いつかない」
プレイヤーが六人になるんなら、それなりに強い敵を出してもいいだろう。レベルは全員、2からスタートしてもらうか。月夜のレベルに合わせた方がいい。
「もう食うか」
俺は三分待たない派。一分半ぐらいでも食える気がする。具材が固いというか、元々、乾燥していた感じは残っているが、それはそれで悪くない。マヨを投入。
「ラー油はあったよな」
カレーにラー油は駄目か。どうだ。
「まぁ……こんなもんか」
中華っぽくなるな。なんか。いや、そうでもないか。量の問題か?
「大量に入れたらまた、味変になる……俺は何をやってるんだ」
さっさと食って、今日はもう一度寝るか。ネットで『戦国双刀伝』は探しておこう。発注してから寝よう。
「二巻から六巻までと。一巻を五冊でいいか。……あるよな」
スマホ片手にカップラーメン食うのは行儀が悪いが、もう、そんなことを気にする年でもない。
「あったあった。これはこれで良しと」
家にひとりでいるから、ひとり言が多くなったよなぁ、俺。やばいな。
「いや、待て。頼む前に確認するか」
ヤミコに連絡だ。……いいよな。黒い石の指輪に指を入れて。
「ヤミコ。ちょっといいか」
――はいはいヤミコです。どうしました?
「今、時間あるか」
――大丈夫ですよ。何でしょう?
「お前以外のプレイヤーにもルールブックをこっちで用意しようと思って、今、一巻を五冊発注しようとしているところなんだが、こっちの人間がそっちの世界の連中にものを贈るってのは、問題なかったりするのか?」
いちおう、聞いておいた方がいい。名前付けただけで自由に行き来って話だったしな。
――えーと、はい、大丈夫です。プレゼント、ということですよね?
「ああ」
――多分、参加予定者の皆さんからの加護がもれなく付きますが、気にしなくても大丈夫です。
待て。
「加護ってなんだよ」
――その鍵に付いてるものと同じです。鵜川さん、私の加護のけっこう強めのやつ、もう付いてますよ。
まじか。




