2. 遭遇 (2)
「改めまして、説明をさせていただきます。申し遅れましたが、わたくし、地球の皆様からみたところの、異世界で、闇の女神をしております」
闇の女神、ね。
「闇の女神っぽい服着てるもんな」
「これ、一張羅なんですよー」
「そうか」
嬉しそうだな。
こいつ、ちょっと天然か?
「都内のお店で買ったんですけど、店員のかたがとても、薦め上手で」
「地球製なのかよ!」
くそう、思わず突っ込んでしまった。
「はい」
しかも、笑顔で切り返してきやがる。
「地球世界のお洋服は手が込んでいて、素敵なものが多いですよね。足元まで届く真っ白なドレスとか、一度は着てみたいなーって思うんですけど」
それ、ウェディングドレスじゃないか?
「でも、私、闇の女神だから、白いドレスはちょっと……もちろん、着ては駄目、とかはないんですけど、闇の女神として、そこはきちんと、自分でも線を引きませんと」
夢の中の登場人物にしては、よくしゃべるやつだな。
「白以外にも、青とか赤とか、素敵なお色のドレスが幾つもあって、形も色々あるし、ふんわりしたものとか、大人っぽいものとか、あれって、どういう時に着る――」
しゃべり過ぎてるのに、自分でも気づいたか。
「すいませんっ」
別に、高速で頭を下げるほどのことではないと思うが。
「いや。まぁ、いつか、着れるといいな」
「はい」
また笑顔で切り返してきやがった。ウェディングドレスが何なのか、分かってないっぽいな。
「それで? 改めて聞くが、異世界の闇の女神さんが、どうして俺の部屋なんだ? このドア、お前の仕業だよな?」
「ですね」
「他人事みたいに言うな」
「申し訳ございませんっ」
また、高速謝罪か。
「逐一、頭下げたりはもう、しなくてもいいけどさ」
これが夢じゃなかった場合、このドア、どうすりゃいいんだろうな。
「すいません。少し、調子に乗りました」
「分かってるんなら、説明してくれ」
「はい」
女、改め闇の女神が姿勢を正した。




