16. セッション開始 (2)
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GM:じゃあ、まぁ、状況説明な。
月夜:はい。
GM:月夜は今、故郷のお偉いさん直々の密命を受けて、旅をしている。秘密の密書、を持ってるわけだから、それをどこかに届ける旅の途中、という感じだろうな。
月夜:そうですね。
GM:その道中にある村で、一晩の宿を借りながら、旅を続けているわけだ。
月夜:はい。
GM:で、今、月夜がいる村は、白樺村という。
月夜:白樺村。
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ヤミコは、きちんとメモを取るタイプか。ていうか、白樺って書けるんだな。
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GM:白樺村は、猫又たちの村だ。月夜の故郷の領内にある、としておくと、まぁ、話が面倒にならないので、そうしておくか。
月夜:と、言いますと?
GM:侍である月夜を、村人はいちおう、信頼してくれる。
月夜:あー、なるほど。
GM:ここで、村の連中ともめる展開は、なんつうか、手間が増えるだけだしな。ま、今回は俺の作った流れに乗ってくれ。
月夜:分かりました。
GM:助かるよ。で、まぁ、都合良く、村の外れにある空き家だったら、ということで、一晩、泊めてもらえることになった。ちなみに飯はつかない。
月夜:あう。お金を払うので、何か、食べるものをいただきたいです。
GM:飯抜きの一番安い宿で、100銭とかだったから、飯代は、でもまぁ、領内の中心部にはない村なんで、そうね。50銭も出せば、温かい飯を出してくれるかもな。白湯と、ひえとかあわとか、米の代替穀物ぐらいか。
月夜:それでいいです。
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待てよ。飯のルールって、なんか、なかったか。
「ちょっと、すまん。ルールを調べさせてくれ」
「はい? 何か問題がありましたか?」
「いや、確か、飯食うとHPの上限が一時的に上がるというルールがあったような気がしてだな」
四冊目か?
……あった。これだ。
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GM:50銭の飯は、HP上限に+1だな。
月夜:へー。そういうルールがあるんですね。
GM:まぁ、フレーバーってやつだけどな。上がったとしても、+3が限界だ。GMの権限で、セッション中、にしていいらしいので、まぁ、1点、HPの上限を増やしておいてくれ。
月夜:HPの今の数字は、そのままですか?
GM:いや、回復させていい。
月夜:わーい。お金残しておいて、良かったです。ご飯、もぐもぐします。
GM:で、お前が、村長の嫁あたりが持ってきた飯を食っているところに、若い男が駆け込んでくる。
月夜:若い男。
GM:そうだ。「大変だ! 太郎がいなくなった!」
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「……急にどうしたんですか、鵜川さん」
「NPCのセリフっぽく言ってみた」
「驚かさないでくださいよ」
「すまんすまん」
これは、もう、長いことGMやってるから、癖だろうな。




