16. セッション開始 (1)
「よろしくお願いします」
「おう」
エネミーは、これでいい。ダイスは……オープンダイスでいくか。
「オープンダイスって、分かるか?」
「えーと。すいません。分からないです」
そうか。
「昔は、GMの手元を隠すためのものがあってさ」
「隠すためのもの?」
「マスタースクリーンっていうんだが。まぁ、厚紙で作った屏風みたいなものを立てて、GMの手元を隠すんだよ。シナリオとかを見えないようにするために」
「へー」
「シナリオ以外にも、ダイスの出目を隠すためにも使われていてな」
「ダイス。あ、サイコロ」
駄目だ、癖でダイスって言っちまう。
「そうだ。サイコロな。まぁ、極端な出目が出たりした時に、それをGMがなかったことにしたりとかな。そういう目的のために、サイコロの出目を隠す、という習慣が、まぁ、昔はあった」
合ってるよな。このへんの歴史的な背景みたいなもんは、俺も若干、怪しいが。
「で、オープンダイスってのは、GMのサイコロの出目をプレイヤーにも見えるように振るってことだ」
「戦闘がガチってことですね」
どこでそういう言葉を覚えるんだろうな。
「そういうことだ。まぁ、事故が起きることは……ないはずだ」
プレイヤー側には、切り札ルールがあるしな。GM側は、切り札ルールは使えない。
「分かりました。若干、不安ではありますが、鵜川さんにお任せします」
「よし、じゃあ、オープンダイスでいくぞ」
「はい」
さて。じゃあ、説明から入るか。
┌───────────────────
GM(鵜川):TRPGによっては、ゲームを始める時に色々と作法があったりもするが、俺はそういうの、面倒なんで、まぁ、普通に、気楽にな。
月夜:はい。あのー。
GM:どうした?
月夜:キャラクターシートに、シナリオのタイトルを書くところがあるんですが。えーと、セッションログ、というところに。
GM:ああ。
月夜:シナリオ名は、いったい、どのような。
GM:シナリオ名は……新歓セッション3、だな。
月夜:しんかん、というのは。
GM:新入生歓迎会の略だ。大学の部活に新入生が入ってきた時用に作ったシナリオなんだよ。これ。
月夜:あー、なるほど。それで、そのようなタイトルに。
GM:そういうことだ。なんつうか、情緒も風情もないけどな。
月夜:3、というのは?
GM:新歓用に作ったシナリオの、三本目だからだと思う。俺以外にもシナリオを用意してたからさ。提出順に、ナンバリングが付いたんだったと思う。
月夜:なるほど。
└───────────────────
シナリオタイトルは、ネタバレになる、というのもあったりするが、まぁ、それはいいか。このへんは、人によるとは思う。




