15. 最終確認 (3)
腹減ってきた。セッション終わったら、頃合いを見て、ピザでも頼むか。
……駄目な生活の仕方だな。ピザ屋って、朝、やってんのかな。
やってないよな。昼前くらいからか。ピザは駄目だな。カップラーメンでも食うか。元々、そのつもりだったし。
「お手紙! お手紙はどうでしょう?」
「いいんじゃないか。密書ってやつか」
「そうですそうです」
よし。四巻に確か入ってた、追加ルールも使うか。
「四巻にあるルールなんだけどさ。ゲーム開始前に、GMの権限で、キャラクターのレベルの二倍と同じだけ、HPの上限を上昇させる装飾品を配布してもいい、ということになってる。まぁ、キーアイテムみたいなものなんだが」
「へーーーー」
高レベル帯でのHP不足をフォローするための、後付けのルールのような気はするけどな。ただ、上限が+10までだから、フォローになってるかっていうと、微妙な線ではある。
「装飾品の枠が一枠、空いてるだろ。そこに、今言った手紙をさ。装備品として渡してもいいか」
「もらえるものなら、なんでもいただきます」
そうか。
「今回のシナリオには特に、意味があるわけではないし、キャラクターの背景を掘り下げるための、ちょっとした飾りというかさ」
「ふむふむ」
「ゲーム中の物語の中で、PCがどう行動するか、その動機を考える時に、こういう設定があると、わりと、自分の行きたい方向に、物語を転がしやすいんだよ。ま、そのうち分かる」
「ほうほう」
「つうわけでやる。名前は……お前が決めていいぞ」
「えー。密書。んー。なんとかの密書がいいですね。むー。秘密の密書で!」
頭痛が痛いとか、馬から落馬に近い語感のような気がしないでもないが、本人がいいならいいだろ。
こういうのも、思い出になる。
「あれ? 密書って、秘密の手紙ですかね?」
「そういうニュアンスは、あるかもな」
「あ。どうしよう。いえ。秘密の密書でいいです」
「オーケー。キャラシーに書いてくれ。HP上限に+2の効果がつく」
「常時効果、というのではないんですよね」
「起動枠は必要ない。その考え方で合ってるよ」
これでよし。準備は終わったか。
「じゃあ、始めるか」




