13. キャラクター作成・4 (1)
「すまん、待たせたな」
「いえ、大丈夫です。あのー」
「これか?」
「はい」
「これは、エラッタっつってな。ルールブックの誤字とか、データの修正箇所とか、そういったことが書かれているものだ。ネットで公開されてるんだけどな」
「そういうものがあるんですね」
『戦国双刀伝』のルールブック別に印刷して、強めのホッチキスでまとめたものが、手元に六冊ある。大量のエラッタ追加ってのも、昨今のTRPGにおいては、よくあることだ。だから初版を買っても、各種修正が適用された新しいバージョンを買うというのも、文庫形式のTRPGに限って言えば、よくあること、かもしれない。
ただ、俺は買わない派だ。
「けっこう、分厚いですね」
「そうだな」
そのかわり、エラッタは全部印刷して手元に置いている。A4の紙に2ページ分印刷して、真ん中折りにしてホッチキスでまとめる作業を、俺は人生でどれぐらい、やったんだろうか。
ま、それは今はどうでもいい。
「鉢金は、修正が入ったんだよ」
このページか。
「物理防御が2から1に下がったが、そのかわりに、物理回避の修正が-1から±0になった」
「へー。あ、確かに、そう書いてありますね」
手元を覗き込んできたヤミコに、エラッタを手渡した。
「竹甲冑と小刀には、修正は入っていないが、他に欲しいものがあるんなら、それ見て修正が入っているかどうか、確認してくれ。俺もさすがに、全部は覚えてない」
「分かりました」
ヤミコがエラッタを見てる間に、すべきことは。
「鵜川さん」
「おぅ、どうした」
「物理回避と先制値修正が、-1から±0になっているものが、ものすごくたくさんあるんですけど」
「そういや、そうだったな」
主に、装飾品のデータにその手の修正が入ったような気がする。
当時、あくまでもTRPG界隈で、だが、それなりに騒ぎになった。
物理回避の修正の変更は、けっこう、バランス調整としてはでかい。
「欲しいものが、色々と出てきますね」
「ま、好きなだけ悩んでくれ」
「はい」
飲み物の予備でも出しとくか。
「鵜川さん」
「おぅ」
「先制値って、気にしたほうがいいんでしょうか」
====================
●先制値
先制値は、戦闘時の行動順を決めるのに使う数値で、能力値【敏捷】の修正値に装備品全ての先制値修正を合計して加算した値を、先制値と呼ぶ。
行動順ってのは、あくまでも、PC間での行動順を指していて、先制値は、敵より先に行動できるかどうかを決める数値ではない。
ここらへんが、TRPGに慣れてるプレイヤーであればあるほど、わりと最初は混乱する。敵側とPC側のどちらが先に動くかは、プレイヤーの代表による1d6に、幾つかの修正を加算した数値で決める。その後、先攻側の中で一番、先制値が高いキャラクターが行動し、次に、後攻側の中で、一番、先制値が高いキャラクターが行動する。つまりは、敵味方が交互に動く仕組みになっている。
先制値が高いと、それはそれでメリットがあったりもするが、低レベル帯ではあまり、意味がない。
====================




