9. キャラクターシート
「鵜川さん」
「どうした」
「お時間、よろしいんでしょうか」
「時間?」
「あのー、本来であれば、お風呂に入って寝る予定、だったんですよね。着替える、風呂、寝る、昼まで寝て、飯、という言葉を、呪文のようにおっしゃってました」
聞こえてたのか、あれ。
「まぁな。つっても、今更、寝ろって言われてもな。眠気は飛んでる」
異世界の闇の女神相手に、TRPG、だからな。これから。
「お前はどうなんだ? 神様なんだろ? 忙しいんじゃないのか」
「それは、全然、いいんですけど……」
じゃあ、時間についての問題は、クリア、か。
なんか、黙り込んじまったな。
ひとまず、キャラシー渡しちまうか。
「これ、キャラクターシートな」
「これが、キャラクターシート……」
おい。
「表彰状じゃないんだからさ」
両手差し出して、頭下げながらキャラシー受け取るやつ、初めてみたぞ。
「憧れでしたから」
「憧れ?」
「本物のキャラクターシートに、色々と書くのに、憧れてましたので」
「ああ、そういう憧れか」
初めてキャラシーに能力値の数字やらなにやらを書いた時は、確かにわくわくしたな、俺も。
「ただの紙に、メモみたいに書くんじゃなくてってことか」
「はい」
いいね。つうことは。
「お前、ルールブック、読んだんだよな」
「もちろんです」
「キャラ、作ってみたか?」
「はい。たくさん考えました」
だよな。俺もそうだった。
てことは、キャラ作るルールは、頭の中に入ってるのか。
「お互い、時間が無制限ってことはないが、まだ、余裕があるわけだ」
「ですね」
「キャラ、自分で作るよな?」
「はい!」
よし。
「たくさん考えたってやつ、今、思い出せるか」
「はい」
「種族と職業の組み合わせだけでいいから、教えてくれ。お前の使いたいキャラに合わせて、シナリオを少し、調整する」
「え」
そんなに驚くようなことか。
「敵の調整ぐらいだよ。で、どうなんだ、キャラは」
「えーと、確か……」




