55. 鍵と加護 (1)
この鍵か。
「我ながら、いい鍵です」
「それに関しましては同意ですわ」
何が同意ですわ、だ。この際だ、確認しておくか。
鍵見て引くな、砂上と湖上。
「ヤミコ」
「何です?」
「ツチヨもだ」
「はいですわ」
「お前ら、この鍵に何をした」
「私とメイコさんとの通話機能と、解放の扉と審判の間に移動する力を付けました」
目を逸らしながら言うな。
「ツチヨは」
「私との通話機能ですわ」
だから目を逸らすな。
「で、実際のところの、具体的な加護の内容は」
ソラタロウに聞いたほうが早いな。
「闇を扱う魔法と、土を扱う魔法の、最大級の才能がこの鍵の持ち主には付与されているね。持ち主というのはもちろん、鵜川くんだよ」
「おう」
「それから、闇の女神の庇護下にある存在と、土の女神の庇護下にある存在。まあ、僕たちは、その存在の善悪については関与しないんだけどさ」
「ああ」
「そういう存在全てが、鵜川くんにひれ伏すね。神界の存在は除外されるけどね」
「例えば?」
「吸血鬼の始祖とかかな。ヤミコくんの加護の場合だと。ツチヨくんの加護だったら、砂蟲の女王とか」
「砂蟲の女王?」
「お友だちですわ」
「どういう友だちだ」
「仲の良いお友だちですわ」
「この世界の地下に、まだ、人類が発見できていない砂の神殿があるんだけど。ものすごく広い砂漠になっててさ」
……人類が発見できていない砂の神殿ってなんだよ。
「そこにいる子だね。ものすごく大きいよ」
「この世界の根幹に関わってそうな存在にも、影響が出るってことか」
「その通り」
「今すぐ消せ」




