第4話 スキル
ステータスのおかげで少しは情報が増えたものの、まだまだ分からないことは多い。
この先、野生で生き残るためにも自分の力はしっかりと把握しておかなければならない。
まずはMPとスキルの関係性だ。
とりあえず何も考えずに芋虫に噛み付いてみる。
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MP:70/70
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MPは減っていない。
これで食べるたびにMPが減る恐怖からは解放された。
まあ流石にそれはないとは思っていたが。
次に、頭の中で【噛み付く】を使うと意識しながら噛み付いてみる。
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MP:70/70
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(あれ? 減ってないな)
スキルが発動していなかったのだろうか?
もう一度意識しながら噛み付いてみるが、やはりMPに変化はない。
考えられる可能性としては、MP消費がないか、あるいはスキルが発動していないかだ。
しかし、普通に噛み付いただけでスキルは取得できたし、発動できていない可能性は低いような気もする。
(そうなるとMP消費がないってことなのか?)
MPはスキルを使うためというよりも、魔法を使うためにあるってことなのかもしれない。
(まあ、もし仮に剣術スキルなるものがあったとして、剣術を使う度にMPを消費していたら燃費が悪すぎるしな)
やはり技術として備わっている可能性が高そうだ。
スキルになったことで、既に噛み付く補正がかかっているのかもしれない。
噛み付く対象が芋虫しかいないせいで違いが全く分からない……
次に時空間魔法だが……魔法ってどうすれば発動するんだろうか。
(念じればいいのか? もし発声しないといけないならシャーしか言えないぞ……)
とりあえず、時間を止めれないか試してみる。食べても食べてもどこからともなく湧いて出てくる芋虫に向けて念じてみる。
(止まれ! 動くな!)
身体の奥から少し力が抜ける感覚が走る。
動かない芋虫。ただ止まっているだけの可能性もある。
ステータス!
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MP:60/70
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(お? MPが10減っている)
しっかりと時空間魔法は発動できたようだ。
しかし、相変わらず対象が芋虫のせいで、あまり効果を感じない。
(効果を実感できていないのにMPだけ10も減っているって燃費悪くないか?)
一息つくと共に、また1匹食べる。
火のように目に見えるものならすぐに効果が分かるだろうが、時空間は目に見えないため分かりにくい。
それに時は時間なのは分かるが、空間はあまりイメージが湧かない。
唯一すぐに思いつくのは転移だろうか。
外に出るのは危険かもしれないから、試しに洞窟の出入り口の手前に移動するように念じてみる。
(……なにも起きないな)
まあスキルはLv1だからそんなに大したことはできないのかもしれない。
あるいは距離が遠すぎたのか。
(洞窟の中とはいえ、出入り口まで1分弱はかかるたからな……ステータスが上がった今ならもう少し早いかもしれないが)
今度は、すぐそこでヒョコヒョコ移動している芋虫の反対側に移動するように念じてみる。
次の瞬間、いきなり目と鼻の先に芋虫が現れた。
(うわっ、きも!)
慣れたとはいえ、いきなり目の前に現れるとびっくりする。
とはいえ、超短距離だが転移は成功だ。
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MP:50/70
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さっきは残り60残っていたから、今の転移でMPを10消費したことになる。
(移動距離は1mもないのに、10も消費するのか……)
燃費がいいのか悪いのか分からないが、これも立派な転移だ。
数十cmを一瞬で移動できるだけでも、危険を回避できる時もあるはずだ。そんな危険はまっぴらごめんだが。
ひとまずの検証結果に満足し、また芋虫を食べる。
《Lvが上がりました》
(お?)
またもやLvが上がったようだ。
何匹食べたか覚えていないが、芋虫の経験値は思ったより高いんだろうか?
それとも俺が弱いから上がりやすいのか。
(多分後者だな……)
とはいえ、これでLvの増加に伴うMP回復があるのかを確認することができる。
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名前:なし
種族:クロノススネーク
Lv:4/15
HP:56/56
MP:71/91
攻撃:37
防御:25
魔攻:69
魔防:53
敏捷:57
器用:22
《固有スキル》
【時空間魔法:Lv1】
【特殊進化:Lvー】
《スキル》
【噛み付く:Lv1】
《称号》
【転生者】
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残りMPが50から71に増えている。
流石に全回復とまではいかないが21は回復している。
(あれ? 最大MP量も21増えているってことは、回復というよりMP量の底上げってことになるのか?)
消費した分のうち21だけ回復したのではなく、MPそのものが21追加で増えたってことじゃないだろうか。
そう考えると計算が合う。
(難しいようで思ったより単純だったな)
まあこれでMPに関する疑問は残り1つだ。
MPが0になればどうなるのか。
わざわざHP表記があるから、MPが切れても死ぬことはないと思う。
仮に意識を失うことになっても、芋虫程度に何かされることは流石にないと思うし、ここなら問題なく検証できそうだ。
MPを枯らすべく、動いている芋虫に向かって止まるように念じる。
ヒョコヒョコしていた芋虫の動きが急に遅くなる。
体感で普段の半分くらいの速度だ。
さっきは止まっているやつに使ったせいで分からなかったが、止まっているんじゃなくて遅くなっているみたいだ。
しばらくすると芋虫がまた動き出す。
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MP:62/91
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さっきのMP消費は10だったのに9に減っている。
対象の個体差によるものかとも思ったが、芋虫達に見て分かるような差はない。
(となると……Lv増加に伴うステータスの増加か?)
確定ではないが、自分の魔法を作用させる力は魔攻、自分が受ける魔法への抵抗する力が魔防じゃないだろうか。
そうだとするなら、魔攻が増加したことで少ない力で芋虫に魔法をかけることができたことも説明がつく。
意図せず新しい検証ができたことに気を良くする。
(今度こそMPを使い切るか)
もしスキルが手に入ったらどんな風に扱いますかねー?
未知の能力を手に入れたら自分はどうするか考えながら書いてみました!
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