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第2話 初めての食事

言い忘れていましたが、投稿頻度はバラバラです。

とりあえず第1章のプロットは完成しているので、執筆が終わり次第、投稿していく形になります。

引き続き、拙作の方をよろしくお願いします!

 こんにちは、蛇です。


 名前はまだない。

 記憶もない。

 手足もない……は、蛇だから当たり前だけど、やはりどこか悲しみを感じる。


 蛇に転生した俺は、甲高い鳥のような鳴き声が近くで聞こえたせいで最初の洞窟に引き返していた。


 (だって怖いし、いつ襲われて食べられるか分からないし……)


 まだ移動どころか動くことすら慣れてない俺にとっては、全てが脅威になると言っても過言ではない。


 洞窟は結構深いのかと思っていたが、そんなことはなく、まだ速く動けない蛇の俺でも1分くらいで最奥に辿り着けた。


 ここなら他の動物に襲われないだろうが、このままじっとしていても餓死してしまう……というか、既に腹が減っている。


 身体の色は見えた範囲しか分からないが、光を全く反射しないような黒色だったから、夜になれば目立たずに森に繰り出せるような気がする。


 とりあえず夜までここで待機していよう。

 森に出れば川の音はしたし、食べるものも何かしらあるだろう。


 そんなことを考えていたら、薄暗さに慣れてきた俺の視界の端で、白っぽい何かが動いた。


 突然のことすぎて、俺は思わず硬直してしまった。


 (いや、まじ勘弁してください、この洞窟は俺の唯一の安全地帯とも言える場所なんです、こっちに気づく前に早く出て行ってくださ……ん?)


 目を凝らしてよく見たら、ただの芋虫だった。

 

 周りを見回すと、他にも所々に芋虫がヒョコヒョコと歩いている。

 見ていて気分が良いものではないが、勝手に感じていたありもしない命の危機は去った。


 感じていた恐怖が霧散し、ほっと一息つくと、夜になるまで暇なので、芋虫を観察する。


 ヒョコヒョコ


 ヒョコヒョコ


 (いや、きもい。こんなのが他にもここにいっぱいいるのか……)


 安全地帯と思っていたが、精神的にはかなり危険かもしれない。



 **********



 夜になった。


 相変わらず芋虫は洞窟の中をヒョコヒョコしている。


 触れたくはないが、見ている分にはもう何も思わなくなった。


 そんなことよりも、俺は腹が減ったし喉も乾いた。

 芋虫を食べる選択肢が頭をよぎってしまうほど、俺はとてつもなく腹が減っている。


 (芋虫を食べているところを想像してしてしまった……おぇ……)


 飢えと渇きを満たすために、わざわざ目立ちにくい夜まで待ったのだ。ここまで待って芋虫を食べてたまるものか!


 (飲食よ、待っていろ! 俺は今行くぞ!)


 俺はさっきよりもしっかりとした足取りで外に向かう。

 なお、足はない。


 巨大な木々のせいであまり分からないが、太陽の代わりに月や星が夜空を照らしているんだろう。

 完全に真っ暗ではなく、暗闇に目が慣れている俺にとっては十分な明かりがある。


 昼の騒々しさとは打って変わって、いろんな鳴き声達が鳴りを潜めているせいか、川を流れる水の音はさっきよりもはっきりと聞こえる。


 (魚とかいるんだろうか)


 できれば小魚じゃなくて、しっかりと身があるやつがいい。


 水の音がする方へ、なるべく音を立てないように慎重に滑るようにして移動していく。

 嬉しいことに思ったよりも川は近く、1分もしない内に川が見えた。


 あの洞窟物件は素晴らしかったのかもしれない。

 雨風を凌ぐことができるし、川まで1分もかからない。

 芋虫さえいなければ本当に最高な住処だ。


 川に着いた俺は、まず水を飲む。


 (うまい!)


 見た感じの水質は良かったから期待していたが、期待通りの味だった。

 喉が乾いていたから余計にうまく感じたのかもしれない。


 水も飲んだらその次は魚を食べよう……と、さっきまでは思っていた。


 しかし、川の流れは弱いとは言えず、幅も予想よりもかなり大きい。

 今の小さい蛇の俺では、どう足掻いても魚を取るなんて出来そうにもなかった。


 (俺の食事事情はどうなってしまうのだろうか……)


 もう既に空腹は限界を迎えそうだ。

 食べなきゃ死ぬ。


 野生の厳しさを感じた俺は覚悟を決めた、というか決めるしかなかった。


 やつ(芋虫)を食べることを。


 (おぇ……)



 **********



 洞窟に戻ってきた俺は、目の前をヒョコヒョコしている芋虫を睨んでいた。


 10分は睨んでいるんじゃないだろうか。

 空腹と芋虫の嫌悪感の戦いは熾烈を極めている。


 なんとか他に安全に食べられるものがないかを考えるが何も思いつかない。


 とはいえ、空腹に勝てるはずはない。

 限界を迎えていた俺は空腹に惨敗し、目の前の芋虫を食うべく、覚悟を決めて口を大きく開き、勢いよく噛み付く。


 噛み付かてもなお口の中をヒョコヒョコする芋虫を舌で感じながら、なんとか丸呑みにする。


 思ったより食べやすいと思ってしまった自分がなんとなく情けない。


 《Lvが上がりました》


 突然、頭の中で機械的な声がした。

 

初レベルアップが芋虫……


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