第六話ハーデスからの贈り物
トリトンとマリルは街に向かいながら森を歩いていた。
トリトンがあることに気づく。
トリトン
マリルちょっと待ってくれ!
マリル
トリトン、どうしたぁ?
トリトンは走って川の方に向かい。
川に顔を覗きこんだ。
トリトン
僕はいったい誰なんだ。。。
師匠なのか?
体も大きくなり髪は赤く染まり長髪に
ハーデスそっくりになっていた。
マリル
トリトンはトリトンだよ。
君の目や口は変わってないだろ。
5年間も魂が戻らなかったんだ。
それは成長してるは!
それに赤髪は、俺と初めて会った時からだぜ!
てか、俺が女って気づいてあまり驚かなかったのに
自分には驚くのかよ!
トリトン
え!
マリルが鬼じゃないのは初めて会った時から知ってる。
じゃなきゃあんな同族を食ったり出来ないし、
何か事情があるんだろうと思って聞かなかった。
別にマリルが男でも女でも。
俺はマリルが大好きだ。
マリル
なんだよ!!
マリルは顔を赤くする。
トリトン
さっきから凄い殺気が感じるんだけど。
これは魔物だから殺していんだよね?マリル?
今の人間の体でどこまで力があるのか試したいんだ。
マリル
まぁハーデスの神様は人間はって言ってたから、
いんじゃない?
トリトン
わかった。
メテオ!!
目の前の森が吹き飛ぶ!!
マリル
ちょっと待って、禁止、禁止!!
もうトリトンは魔術禁止!!
この森に人間がいたら即効アウトだよ!!
人間の力の範疇超えてるは!
化け物だよ!やっぱり剣を使って!!
どんな修行したんだよ!俺がいない3年間!!
馬鹿じゃない!
トリトン
ごめんなさい。
自分では全然弱くなってるなと思ったし。
師匠はもっと威力があるの片手で弾いてたし。
次は気をつけます。
マリル
わかればよろしい!
次はハーデスの神様にもらった剣で峰打ちだけね!
優しくね。
2人は焼け野原になった道を歩いて行く。
すると前に殺気だった魔物がまた現れた。
マリル
あれはグリズリー危険だ、あの爪でやられたり噛まれたらおいら達は致命傷だよ!トリトン!
気をつけて、戦おう、、、ってトリトン!?
トリトン
おーー可愛いね、これが昔、師匠が言ってた熊かな?
おいで、おいで、、、
グリズリーはトリトンの肩を噛む。
トリトン
痛えーーーーはなせーーーー可愛いくねぇーー
助けてーーー
マリルがグリズリーの首を素早く斬り落とす。
薬草をトリトンの肩に巻く
マリル
馬鹿なのかお前は!?
おい!?まだ自分が神だと思ってるのか?
人間だぞ?下手したら一発であの世だったぞおい!?
トリトン
ごめんなさい。
師匠が熊は可愛いって、じゃれてくるだけだって。
マリル
それは神目線な!わかれ馬鹿!!
っておい、おい兄ちゃん!!
今度は何してるんですか??
トリトンは死んだグリズリーに喰らいついてる。
トリトン
マリルーコイツかてぇーよーー!!?
毛が気持ち悪りいし、不味いし、腹減った!!!
マリル
おい!馬鹿トリトン!
お前の師匠は何も教えてくれてないな!
人間は生で肉は食えません。
トリトン
ごめんなさい。
あんなにマリルと魔物を殺して食べたし、それに
師匠が熊は可愛いくて、美味しいって言ってたし。
マリル
神目線やめろ!!あの時はお互い化け物だ。
けど、確かに、人間達も焼いて食べるみたいだぞ。
メテ、バッコーン!!
メテオを唱えようとしたトリトンを殴る!!
マリル
馬鹿トリトン!
チリにして、なおかつ今地形も変わるところだったよ!
トリトン
ごめんなさい。
燃ればいいのかなと。。ついついメテオを。。
マリル
お前の魔術は火の魔術の災害級の呪文なの!
一番下の火の魔術で充分!!
ファイヤ!!
グリズリーが燃える!!
トリトン
おーーーマリル天才だ!!
じゃ、いただきまぁーす!
あっちーーーー!!
トリトンの手が燃える!!
マリル
ウォーター!!
おーーい馬鹿!!!
人間の手は簡単に燃えます。覚えといてくださいね。
あと焼けたらおいらが木で取ってあげますんで。
もう、何もしないでください。
もう、謝らなくていいです。
トリトン
、、、、、
2人は肉を食べて歩きだす。森を抜けると広い荒野が!
少し先に何者かと戦ってる馬車が。。
マリル
トリトン!あそこで人間が何かに襲われてる!
英雄になるチャンスだ!!救いにいこう!
トリトン
私は何もしません。。。
また失敗するんで、、、
マリル
いじけてないでいくよ!!
走ってついてきて!!
トリトン
わかったよ。
トリトンとマリルは走って馬車の方に向かうが、
トリトンの方が断然に早く馬車の方についてしまった!
トリトン
えっとぉーー
盗賊達
何だお前!何のようだ!!
トリトン
お前達を助けに来た!!私は英雄トリトン!!
盗賊達
何だ、お前もこの商人が狙いか、じゃあ後で山分けな!
意外とこの商人の護衛たちが厄介で助かった!!
トリトン
まぁまぁ!私がきたからにはもう安心!!
護衛
新手か、なんか強そうだな!
こっちはもう俺意外怪我して動けないつうのに。。。
マリルがようやく追いつき、
トリトンにドロップキックする。
マリル
馬鹿トリトン何してるんですか?
トリトン
いや、人間を助けようとしてるんですが、、、?
ごめんなさい。
マリル
どう見ても、、、
こちらの馬車を襲ってる方が悪い人間ですよね?
え、、わからないのですか?
トリトン
ぁ~いやぁー、、、てへ。
トリトンは凄い速さで盗賊達を剣で峰打ちをし、
気絶させる
トリトン
悪者は捕らえましたぞ!!!
そこの人間!!
護衛
???何が起きた。?
中間割れか?
マリル
すいません!この馬鹿が。
ちょっと盗賊達を油断させる為に、
仲間になったフリをしてたんですよ!!
私、マリル、そこにいるのがトリトンでございます。
トリトンは何が言おうとしたが、マリルに睨まれたので
何も言えなかった。
護衛
そうだったのか!!
凄い助かった!!
こちらはもうほとんどの物が、
盗賊にやられて虫の息だったもので、
本当に助かった。。感謝致します!
ゲルド様ーもう安全です!!この者達が
助けてくれました。
馬車から商人が降りてくる。
ゲルド
私の名前はゲルド。
商人をやっております。
この度は私達と商品を守って下さり、
大変感謝いたします!!
お礼にこれを受け取って下さい。
ゲルドは金貨10枚とゲルド商店待遇権をくれた。
ゲルドはこの先にあるミラノブルズと言う街に
商店を構えてるそうだ。
ゲルド
是非、素材の買い取りもやっておりますので、
お越し下さいませ、
よければこのまま馬車に乗りませんか?
マリル
本当ですか!こんなにもらってなおかつ街までなんて、
凄く助かります。じゃあ私達からも後一つ、
トリトン、どうせ護衛の方皆を治す、
魔術も使えるんだろ?
トリトン
ケアルガ!
護衛たちの傷が完治した。
護衛たち
怪我が治ったぞ、体が動く!!
トリトン様、貴方は神様かなんかですか!
こんな魔術初めて聞く!!
ありがとうございます。
ゲルド
おぉ本当に凄い!!
街までの道中が楽しくなりますな!
トリトンとマリルは馬車に乗り街を目指しながら、
ゲルドに質問を山程される。
ゲルド
あなた様達ほどの腕があるなら。
私の耳にも届いてるはずなんですが。
何処のS級冒険者ですか?
あの野原でなんの依頼を??
マリル
実は私達はまだ冒険者じゃ無いのです、
冒険者になろうと森から街に行こうとしていました。
私達はずっと森に住んでいましたので、
外の世界がなにもわからなくて、
ゲルドさんとこうして会えて本当によかったです。
ゲルド
あそこの幻の森に住んでいたのですか!?
誰も見つけた事が無い!
その強さで、冒険者じゃ無いとは。
私は幸運ですな!
是非、街でギルド登録して冒険者になったら、
私の指名依頼も受けてもらいたい。
マリル
勿論、ぜひに私達でよければ!
なぁトリトン!
トリトン
マリルに任せる。
私はマリルに言われたことしかしない。。。
マリル
まだ、いじけてるのかよ!
ちゃんと俺がこれから常識を教えてやっから!
街に行くとなぁー美味い飯が沢山あるんだぞ!!
トリトン
本当に!!!
早く街行きたい!!早く行こう!飛んで行こう!!
ゲルド
古の浮遊魔術まで使えるんですか!!
これは驚いた!
貴方達なら優勝できますね。
マリル
優勝って?何のですか?
トリトン
マリル、跳ぼ、跳ぼ!美味しいの待ってる!!
ゲルド
普通ならギルドで名前を登録し、冒険者になるのに、
試験を受けなきゃならないんですが!
明日は年に1回の特別な武闘会という、
大会が開かれ、優勝すれば金貨500枚!
名があるS級の冒険者もやってくるので、
間違えなく、上位に残れば、試験などやらずして!
冒険者になるでしょう、、、
あれ、、、おかしいですね。急に眠気が、、
馬車が止まり、ゲルドも外の馬に乗ってる護衛たちも
眠ってしまった。
トリトン
何かがいる。。。
トリトンとマリルは、馬車を降りると。
上には自分達と同じぐらいの天使が。
トリトン
この世界にも、天使はいるんだな!?
しかも上位天使か!!
天使が下に降りて跪く。
ルシファー
トリトン様ですね。
はじめまして。
私は堕天使ルシファーと言います。
ハーデス様の側近でございます。
トリトン
!???
師匠にも側近がいたんですね。
はじめまして。
それで、師匠の側近が何の様で。
(マリルは黙ってる)
ルシファー
私は主であるハーデス様に頼まれ、
トリトン様とマリル様に渡して欲しいと言われた物を
届けに参りました。
まず、トリトン様にはこのコートと手紙をと。
(それはいつも師匠が着ていた長いコートだった。)
マリル様にも手紙を2通頼まれてます。
(マリルは水色と白の手紙を渡される)
マリル様は水色の手紙を読んで欲しいとの事です。
以上がハーデス様に私が頼まれた仕事です。
最後にトリトン様にお願いしてもいいですか?
トリトン
何でもいいよ!師匠がわざわざこんなおつかいさせたんだもん!!報酬は弟子である、私がする。
ルシファー
そのコートを着て私を抱きしめて下さい。。。
トリトン
それだけでいいの!!?
師匠が本当に好きなんだね!
わかった!
トリトンはコートを着て、
ルシファーを抱きしめた。
ルシファーはトリトンの事をハーデス様、ハーデス様
と泣きながら僕の胸に包まれていた。
ルシファー
ぐすん、、、ごめんなさい。
あまりにもトリトン様がハーデス様に似てまして。
もう、大丈夫です。ありがとうございました。
また、会いましょう。
マリル様、、、ごめんなさい。
そう言うと、ルシファーは羽を広げ飛びだってしまった
ハーデスの死を知らないトリトンには、
ルシファーの涙の意味もわからなかった。
トリトン
綺麗な天使だったねー。
いいなぁー師匠は、あんな天使に愛されて。
今度、師匠にちゃんとルシファーに会う様伝えよ
ね、マリル?
マリル
そうだね。。
馬車に戻り、少しすると周りは起きた。
ゲルド
申し訳ありません、寝てましたか?
急に眠気がきてしまい。
今日は遅いんでここで一泊しましょう。
明日の朝早くにはミラノブルズに到着しますので、
ミラノブルズにはいったらすぐ大会の参加を
しに行きましょう!
マリル
皆さん色々あって疲れてるんですよ。
何から何までありがとうございます。
その夜、マリルはトリトンが寝た後馬車の外に出て、
一人でハーデスの手紙を読んで泣いていた。。
愛する妻ペルセポネへ
君を何時も巻き込んでしまい申し訳ない。
トリトン君が転生される5年間の間
君と久しぶりに二人っきりの森の中
私は最後に凄い幸せな一時でした。
何億という長い時間の中、
ずっと私を支えてくれてありがとう。
そして、私と君の弟子をこれからもよろしく頼む。
ルシファーにも君から伝えてくれ。
支えてくれてありがとうと。
最後にこんな仕事を託して申し訳ないと。
私はトリトン君の刃で死ぬわけじゃない。
これは私が望んだこと。
だから、ゼウスとトリトン君を恨まないでほしい。
もう一枚の手紙は、ゼウスにトリトン君を合わせた時に
ゼウスに渡してほしい。
さようなら。
愛する妻ペルセポネ