第三話黄泉のオリンピア
僕は父と母に見送られ、
ハー兄のいる、箱庭の城に到着した。
ハー兄が何時も居る部屋に入る。
部屋の中央には、
見たことが無い大きめの壺が置かれていた。
壺の後ろには、ハー兄が何時も座ってる机と椅子、
そして、左右には見慣れた壺。
ハー兄の部屋はここで間違いがないらしい。
突然、頭の中に直接話すかのように、
ハー兄の声が聞こえてきた。
ハーデス
トリトン君おはよう。
トリトン
おはよう、ハー兄。
これはどうなってるの?
ハーデス
今、私は壺の中にいる。
これから君は修行にはいる。
今後は僕は禁止、私はと自分のことはいいなさい。
私のことを師匠と呼び、敬語を使うこと、
さぁ荷物はそこに置いて入って来なさい。
ハー兄の言葉は聞こえなくなった。
僕、、私は、
荷物をその場に置き、壺に入った
壺に入ってもう10分ぐらい経つ、
壺の底はまだ見えず、
真っ暗闇を真っ逆さまに落ちて行く。
速度がどんどん上がってきて、
全身が震えだした。
するとまたハー兄の声が頭に聞こえる。
ハーデス
トリトン君、修行はもう始まってる。
このまま、何もしないで、
私の前に落ちてきたら、
どんな神達でもぐちゃぐちゃになるだろうね。
そうなったら、修行は終わりだね。
いくら死なないと言っても、
回復するのに、10年はかかるから。
ハー兄の声が聞こえなくなった。
トリトンは笑った。
そして、何もしないで笑いながら落ちて行く。
下の方に灯りが見え、でっかい広場がある。
真ん中には師匠が立ってる。
ハーデスの前にトリトンは頭から落ちた。
(地面が揺れでっかい音が広場に響き渡る)
ハーデスは腹を抱え高らかに笑いだした。
トリトンが落ちた地面の中でも、
高らかに笑い声が聞こえてくる。
トリトン
ハー兄もこんな簡単な修行を僕にさせるなんてね!
あ、師匠も。
ハーデス
そっちの道に進んだんだね!
流石にゼウスの子か。
その様子だと自分が飛べることに気づき、
あえて自分の身体を試したんだね。
(トリトンが空を飛んで地面から出て来る)
トリトン
師匠、次は何の修行ですか?早くやりましょう。
ハーデス
死を恐れない、この歳にして
化け物だな。
トリトン君に私が教えるのは、
神器の扱い・魔法の扱い・武術・剣術
私の修行を終えたら最高峰の神にかなり近づける。
トリトン
師匠?
何故、神器を扱うのに剣術を教わらないといけないのですか?
ハーデス
神器は強すぎるし、すぐには使えない。
急に襲われた時など、加減するときなど
剣の一つはもっとかないと。
トリトン
なるほど。
ハーデスはその後、他の最高峰の神々を教えてくれた。
海の神・ポセイドン
地の神・トール
太陽神・アポロ
天空神・ラミア
冥界神・ハーデス
最高峰の神達は、自分の星を待たず
星を持った神々のサポートをするのが仕事らしい。
天空神・ラミアはオリンポスの守護、
ゼウスの側近と
全天使の管理をしてるという。
ハーデス
トリトン君には最高峰の神になるため、
この場所を私が作った!
Dランクの魂達を私が食べずこの場にかき集める!
生前、人を何万と殺してきた犯罪者、化け物。
トリトン君はここで、5年間寝ずに戦い続けてもらう。
私も仕事があるから、
指示はまた、頭の中に直接するよ。
まずは神器の扱いだね!
私の真似をしてみなさい。
神器解放・時雨
師匠が手を前にかざし、そう言葉にすると、、、
目の前に黒い光が集まり神器が現れた。
師匠の神器はどす黒いオーラに包まれた、
デカい鎌のよう。
同じ様に私も言う
神器解放・時雨
師匠のとは違う赤い光が集まり神器が現れた。
赤く輝くオーラに包まれた、
師匠のとは二回りぐらい小さな鎌のよう。
ハーデス
神器はその者の力量や経験によって進化する。
これから君には時雨の十の神技を教えよう!
見て覚えるんだ。
(広場の奥にある鉄格子がギィギィーと開く)
中から出てきたのは龍が50頭だった。
師匠はそれらをあっという間に神技によって赤く染める。
師匠が斬り倒した龍は赤く血が広がり
やがて綺麗な光となり
広場から姿を消した。
すると鉄格子がギィギィーと閉まる。
ハーデス
どうだい、後は見よう見真似でやってみなさい!
この黄泉のオリンピアで!