お泊まり会
週末がきた。
今日は遥香の家に泊まる約束をしていた、バイトは8時に終わって遥香の家に行った。
インターホンを押すと、遥香の母がでてきた。
「入って入って、健人くん!」
「あ、ありがとうございます」
入ると遥香の姿は無かった、どうやら今日は塾らしい。
「あれ…あの子遅いわねぇ…今日は健人くんが来るから楽しみにしてたんだけどねぇ…雨も降ってるからちょっと心配だわ…傘持って行ってなかったし…」
「それなら、迎えにいきましょうか?」
「お願いしていいかしら?」
「はい!遥香にはお世話になってますから」
そして遥香が行っている塾へ迎えに行った。
塾の近くまでくると、塾の前で遥香が誰かと話している。
「遥香ちゃん…俺とつ、付き合ってよ…」
「それはちょっと…」
どうやら告白されているらしい、遥香は困った表情で断っている、こっちには気づいていないようだ。
「なんで?まさか俺のことが嫌い…?」
「そ、そうじゃなくて…あの…」
「ハッキリいいなよ!!」
「だから…ほ、他に好きな人がいるから…」
「そっか…」
そして、ふられた男の方はどこかに言ってしまった。
「お前の母さん心配してたから迎えに来たけど…大丈夫か?」
「け、健人!?もしかしてさっきの見てた…?」
「う、うん、まぁちょっとだけ…」
「そうなんだ…実はさっきの人は結構塾でも仲がいい友達でさ…さっきいきなり告白されて…でも私…」
「好きな人がいるんだろ?」
「う、うん」
「そうかぁ…まぁ頑張ってくれよ!俺も応援してるし…」
「ありがと…」
帰りはなぜか少し気まずかった。
そして家に着いて、少し遅めの晩御飯を食べた。
遥香の母の作る飯は美味かった、どうやら料理の上手さは遺伝するらしい。
そしてお風呂からでてきた時。
「今、お父さん単身赴任でいないから、お父さんの部屋で寝てもらおうと思ったんだけど、あの人掃除もせずにそのまま家でてしまったようだから散らかってて…困ったわねぇ……」
少し考えた後で遥香母が言った
「そうだわ!!昔みたいに遥香と同じ部屋で寝たらいいじゃない!」
「ま、まぁ遥香がいいならいいですけど…」
遥香はリンゴの様に赤面しながら言った。
「うん仕方ない…から…いいよ」
「わかったわ、じゃあ遥香の部屋に布団敷いとくわね!」
遥香母は遥香にウインクした。
そして遥香はお風呂に入った。
「い、一緒に、寝るなんて……」
そして先に遥香の部屋でスマホを触りながら寝転んでいると、お風呂から上がったパジャマ姿の遥香が部屋に入ってきた。
「さ、先に部屋にいたんだ…」
「うん先に部屋に行っててってお前の母さんが言ってたし」
「そ、そうなんだ…て、ていうかさっきの事だけど…その塾の迎えきてくれた時…」
「大丈夫だ誰にもいわねぇーよ」
「そ、そうじゃなくて…私の好きな人の…こと…し、知りたい?」
「ま、まぁ気にはなるな」
「そ、それは…えっと…………」
「ん?どした?」
「好き…なのは………ひ、秘密や、やっぱり秘密」
「な、なんだよそれー」
「さ、さぁそろそろ寝るよ」
「お、おう」
遥香が電気を消した。
2時くらいだろうか…雨は激しくなり雷までなり始めた。
「こ、怖い」
「ん….どうした?遥香」
「雷苦手で…」
「そうなのか…」
「そ、そっちの布団でね、寝ていい?」
「い、いいけど」
遥香は俺の布団に入った。
ほんとに怖いらしく遥香は密着していた、遥香の心臓の音を感じられる…その体は柔らかかった。
なんだ…この気持ちは…どうやら俺は幼馴染みの遥香に恋をしてしまったらしい…。