突然の乱入者
「ダメだよ…健人…」
そう言った遥香の目には涙が溢れていた。
「なんで…」
「私は、春にはいなくなっちゃうんだよ?」
遥香ももう知っているようだった。
「遥香はそれでいいのか?」
「えっ?」
「遥香は本当のお母さんのところに行きたいのか?」
「わからない…わからないよぉ」
すると遥香は地面に膝をついて泣きはじめてしまった。
少しの沈黙のあと、遥香が言った。
「私も健人が、好き…大好き」
「なら、俺と…」
「でもダメだよ!健人にはカナがいるじゃん!」
「カナ?」
すると、遥香はまだ涙が残った顔ではにかんだ。
「あの子を幸せにしてあげて、私はもう十分幸せだったから、ありがと、健人」
なんで、カナを…
「今、カナは関係ないだろ」
「一緒に暮らしてて気づかないの?カナはね、健人のことが好きなんだよ?」
「えっ?」
そんなこと考えたこともなかった。
「さて、こんなお話は終わりにして、家に帰ろっか」
「帰れるかよ…」
俺は遥香が好きなんだ、その気持ちは変わらない。
「なんで遥香が俺のこと全部決めつけるんだよ、俺はお前が好きなんだよ、春にいなくなるなら俺も一緒に行く、それに、カナだって遥香がいなくなることは望んでないに決まってる」
「なんでわかってくれないの…」
すると遥香は走って、俺から逃げるように帰ってしまった。
ここで逃げられたら全てがあやふやになってしまう。今だ、今しかない。
「待ってくれよ、遥香!」
遥香の手を掴む。
「もうやめてよ…名残り惜しくなっちゃうよ…」
「…聞いてくれ、俺はカナのことももちろん大切だ、でもな俺は誰でもない遥香のことが好きなんだ。だから…」
そして俺は遥香の瞳を見つめた。
「俺と付き合ってくれ!」
俺は改めて思いをぶつける。
イルミネーションの光が2人を包む、このまま時が止まってしまえばいいとまで思った。
そして遥香がだした答えは…
「ちょっと待ってください!!」
「……!?」
そこには血相を変えたカナがいた。
「そんな…遥香ちゃんだけずるいです!」
「カナ…」
遥香が悲しそうにカナを見つめる。
「私も健人くんが大好きです!健人くんは私のものです!」
「違うんだカナ!」
するとカナは俺を見つめた。
「健人くんは私のことをどう思ってるんですか?」
「俺はもちろんカナも大事だ!」
「どっちなんですか?ハッキリしてください!」
「喧嘩しないで!」
遥香が叫んだ。
「私はカナが健人が喧嘩しているとこなんか見たくない!」
「遥香…」
「なら、遥香ちゃん対決です!」
「「へ!?」」
いきなりの発言に2人は唖然とした。
「どっちが健人くんに相応しいか対決です!」
おいおいおい、大変な方向にいこうとしてるぞ…大丈夫なのか……




